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BtoBマーケティングの費用相場を解説|手法・施策別コスト・予算の決め方などを紹介

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BtoBマーケティングを実施する際、「どの施策にいくらかかるのか」「費用対効果をどう判断すべきか」と悩む方は多いでしょう。
BtoB領域では、Web広告やSEO、展示会など複数のチャネルを組み合わせた施策を実行することが一般的です。

本記事では、Web広告・SEO・コンテンツマーケティングなど主要マーケティング施策の相場と内訳を具体的に解説します。

さらに、予算をどのように決めるか、決めた予算の社内承認を得るコツまでを体系的にまとめました。
これからBtoBマーケティングに本格的に取り組みたい方、予算策定や代理店選定に悩んでいる担当者に役立つ実践ガイドです。

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【手法・施策別】BtoBマーケティングの料金相場

BtoBマーケティングにおける主要施策6種について、外注を前提とした料金相場を解説します。

  • Web広告

  • SEO対策

  • コンテンツマーケティング

  • SNSマーケティング

  • メルマガ配信

  • ウェビナー・展示会

施策ごとの目的や特徴、予算感を理解し、自社の課題に適した手法を選ぶことが大切です。

Web広告

Web広告とは、インターネット上で自社サービスを訴求し、見込み顧客を獲得するための施策を指します。
代表的な広告は以下の通りです。

  • リスティング広告

  • ディスプレイ広告

  • SNS広告

  • 業界特化メディア広告

費用相場は企業規模によって幅があり、広告運用費+運用代行費を含むと一般的には月額20万円〜100万円が目安です。
費用構造は以下の通りです。

  • 広告費(媒体に支払うコスト)

  • 運用代行費(広告代理店への手数料:広告費の約20%前後)

  • 制作費(バナーやLPなどのクリエイティブ制作費)

初期費用として5〜10万円ほどが発生し、アカウント設計やキーワード設定などが含まれます。
中小企業であれば20〜50万円からスタートし、本格的なリード獲得を目指す場合は100〜500万円規模になるケースもあります。
代理店によっては最低出稿金額が設定されていることもあるため、事前確認が必要です。

Web広告で効果を最大化させる考え方については別記事で解説しています。
より踏み込んだ内容について知りたい方は下記をご覧ください。

関連記事:【初心者必見】Web広告運用の効果を引き出す“最適化”の考え方

SEO対策

SEO対策とは、検索エンジン上で自社サイトを上位表示させ、自然検索からの流入を増やす施策です。
BtoB企業においては、企業名や製品名などの指名検索以外のキーワードからリードを獲得できるチャネルとして有効です。

費用相場は月10〜100万円、初期費用5〜30万円ほどが一般的で、料金体系は以下の3つのパターンがあります。

  • 月額固定型:5〜30万円(内部対策+コンテンツSEO)

  • 成果報酬型:1〜100万円(上位表示成果に応じた報酬)

  • コンサル型:10〜50万円(戦略立案・構造設計・指導)

SEOは即効性よりも中長期的な効果を重視する施策のため、継続的な投資と改善が大切です。

コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングとは、ユーザーに有益な情報を提供し、信頼関係を構築しながらリードを育成していく施策です。
BtoB領域で代表的な手法は以下の通りです。

  • ホワイトペーパー

  • 事例記事

  • オウンドメディア運営

費用相場は記事制作中心の場合で月10〜50万円、戦略立案や改善支援まで含む場合は月50〜100万円前後が目安です。
以下は一般的なプラン別の内訳です。

  • 月10万円未満:記事作成のみ

  • 月10〜30万円:記事制作+WordPress設定+アクセス解析

  • 月30〜50万円:記事+取材・構成+戦略立案

  • 月50万円以上:コンサル+改善支援+データ分析

コンテンツマーケティングには、記事制作だけでなくYouTube動画やホワイトペーパー制作など、複数のチャネルを組み合わせた発信も含まれます。

コンテンツマーケティングについては、以下でも解説しています。
基礎からあらためて確認したい方はぜひ参考にしてください。

関連記事:コンテンツマーケティングとは|BtoBマーケ基礎vol.4

SNSマーケティング

SNSマーケティングとは、Facebook・X(旧Twitter)・Instagram・LinkedInなどのSNSを活用し、企業認知を高めながらリードを育成する施策です。
SNSの目的やターゲット層に応じて、運用体制を最適化することが成果につながります。

費用相場は月10〜50万円、初期費用としてはアカウント設計や運用方針の策定を含むと20〜30万円が一般的です。
プラン別の料金目安は以下の通りです

  • 月10万円未満:投稿代行+簡易レポート

  • 月20〜30万円:投稿+コメント対応+簡易分析

  • 月50万円以上:広告運用+データ分析+コンサル+定例会

SNSは短期的なリード獲得よりも、中長期的なブランド認知・関係構築を目的とする場合に効果を発揮します。

メルマガ配信

メルマガ配信とは、既存の見込み顧客に対してメールで情報を届け、関係性を深める施策です。

費用相場は月額数千円〜20万円が一般的で、依頼形態によって品質や分析の精度が異なります。

依頼形態

特徴

費用目安

業者依頼

安定した品質・配信分析付き

月6,000円〜20万円

個人依頼

安価だが品質・継続性にリスクあり

月額数千円〜2万円

1配信あたり1,000円〜2.5万円

委託できる主な業務範囲は以下の通りです。

  • 企画立案

  • 配信文作成(ライティング)

  • デザイン制作

  • 配信設定・作業代行

  • 効果測定・分析

BtoB領域でのメルマガでは、ウェビナー案内や事例紹介など、定期的な情報提供を通じて商談化を促進します。

メルマガは見込み顧客と継続的な接点を持つ、ナーチャリング施策として有効です。

ウェビナー・展示会

ウェビナーや展示会は、オンライン・オフラインの場で顧客との直接的な接点を創出する施策です。
製品デモや導入事例を通じて、顧客に具体的な価値を訴求できます。

ウェビナー・展示会それぞれの費用相場は以下の通りです。

施策

特徴

費用

ウェビナー

  • 展示会と比べ低コスト

  • 参加ハードルが低く多くのリード獲得が見込める

  • リードの確度は低め

  • 録画して二次利用できる

30〜100万円

展示会

  • ウェビナーと比べ高コスト

  • 物理的に製品・サービスを紹介できる

  • 確度の高いリード獲得が見込める

100〜500万円

主な費用構成要素は以下の通りです。

  • 会場費

  • 機材費

  • 制作物(パンフレット・バナーなど)

  • 運営スタッフ人件費

ウェビナーは展示会と比べ低コストで実施可能で、場所を問わず視聴できるなど、参加のハードルが低いのが特徴です。
一方で展示会は投資額が大きく、会場までの移動もあり参加ハードルは高い傾向にあります。その反面、ウェビナーと比べ来場者の温度感は高く、商談に繋げやすいリードが獲得できるといった特徴があります。

どちらかの良し悪しではないため、リード単価や投資対効果を踏まえた戦略的な実施が求められます。

関連記事:ウェビナーでの最適な集客方法と成功ポイントを紹介

BtoBマーケティングの費用・予算を決める方法

BtoBマーケティングの費用や予算は、企業の規模や目的、成長段階によって最適な配分が異なります。
ここでは代表的な4つの考え方を紹介します。

  • 前年度の予算をもとに決める

  • 前年度の粗利から設定する

  • KGIから逆算して設定する

  • 施策ごとのリード獲得単価を決めておく

前年度の予算をもとに決める

前年の広告費・制作費・運用費などマーケティング費用の実績を基準に、各施策の成果を分析して予算を再配分する方法です。
安定した事業モデルを持ち、継続的なリード獲得が見込める企業におすすめです。

前年と比較して成果が高かったチャネルを重点的に強化し、改善の余地がある領域には試験的に新施策を投入します。

この方法は、前年データをもとに効率的な投資判断ができる一方で、過去の施策に依存しすぎると新規チャネル開拓が遅れるリスクもあります。

前年度の粗利から設定する

粗利の一定割合をマーケティング投資に充てる方法です。
粗利の5〜10%がBtoBマーケティングの適正比率として充てるケースが多いとされ、企業や事業のフェーズによって比率を変えることが大切です。

成長段階にある企業では10%以上の積極投資で新規開拓を進め、成熟段階では効率化を優先して5%前後に抑える傾向があります。

前年度の粗利から設定する方法は経営計画と連動しやすく、全社戦略に沿ったマーケ予算を立てやすい点が特徴です。

KGIから逆算して設定する

KGI(Key Goal Indicator)から逆算して、必要なリード数や施策ごとの費用を設計する方法です。

KGIとは、売上など最終的な目標(ゴール)を数値で示す指標のことです。
企業やプロジェクトの「成功をどのように判断するか」を明確にするために設定されます。

たとえば、年間売上目標を5億円・受注単価1,000万円・受注率を10%と設定した場合、必要な商談数は500件です。
さらに逆算して商談化率を10%とすると必要なリード数は約5,000件となります。

平均リード単価を2万円とした場合、マーケティング予算は「2万円×5,000件=1億円」が目安になります。

KGIから逆算して設定する方法では、商談数・リード獲得数などのKPIとの整合性が取りやすく、費用対効果を明確に管理できる点がメリットです。

施策ごとのリード獲得単価を決めておく

チャネル別にリード単価を設定し、費用対効果を定量的に管理する方法です。

施策ごとのリード単価の目安は以下の通りです。

施策

リード単価の目安

Web広告

2万〜5万円/件

SEO・コンテンツ

1万〜3万円/件

展示会

3万〜7万円/件

ウェビナー

1.5万〜4万円/件

チャネルごとに単価を定めておくことで、効果測定が容易になり、予算超過や投資対効果の低下を防止できます。

また、単価が高い施策でもリードの質が高ければ投資対効果が向上するため、「量」だけでなく「質」を指標に含めて検討するようにしましょう。

BtoBマーケティング予算の社内承認を得るコツ

BtoBマーケティングの予算は、投資額が大きく見えやすいため、社内での合意形成が大切です。
ここでは、上層部や関係部署をスムーズに納得させるための3つのポイントを紹介します。

  • 数字で期待できる成果を示す

  • 具体的に比較できる資料を見せる

  • ステークホルダーに事前説明・調整をする

数字で期待できる成果を示す

上層部を説得する際は、感覚的な説明よりも数字を用いて根拠を提示することが効果的です。
とくに、CPAやCVR、商談化率などの過去の成果データや他社事例を活用して、投資に対する成果を定量的に可視化します。

たとえば以下のように、費用対効果を比較できる数値を提示すると説得力が増します。

  • 前回の展示会ではリード単価5万円→今回のWeb広告では単価3万円を想定

  • 年間1,000件のリード創出×商談化率10%×受注率10%→約10件の受注見込み

費用→リード数→商談化→受注の流れを明確に示すことで、上層部が投資判断をしやすくなります。

上層部が判断しやすいように数字に落とし込むようにしましょう。

具体的に比較できる資料を見せる

提案内容が抽象的なままだと、決裁者は判断をためらう傾向があります。
そのため、複数案を比較できる具体的な資料を用意して説得するようにしましょう。

たとえば、提案資料に次の要素を含めるのが効果的です。

  1. 各施策の費用・期間・想定リード数の比較表

  2. 自社過去実績や他社事例とのベンチマーク

  3. 外注と内製のコスト比較

数字と構造を明示した資料を提示すれば、担当部署や経営層が投資判断を行いやすくなり、承認スピードも早まります。

具体的な比較ができる資料作りを心がけましょう。

ステークホルダーに事前説明・調整をする

BtoBマーケティングには、営業部門や経営層など複数部署が関わります。
そのため、最終決裁前にステークホルダーへ事前説明を行い、役割や目的を明確にしておくことが大切です。

とくに以下の3点を共有しておくと、認識のズレを防げます。

  • 施策の目的と期待される成果

  • 各部署が担う役割と負担の有無

  • 成果測定や報告のスケジュール

各部門等との調整を事前に行うことで、施策開始後の社内摩擦を最小限に抑え、予算承認をスムーズに進められます。

BtoBマーケティングでの成功事例

BtoBマーケティングでは、戦略設計から実行まで一貫して行うことで、高い成果を上げる事例が多く見られます。

ここでは実際に成果を上げた3つの成功事例を紹介します。

  • ABM戦略を取り入れたターゲティングで成果向上

  • 広告運用とLP改善でリード数3倍・案件創出数5倍

  • 5,000名規模イベント成功

ABM戦略を取り入れたターゲティングで成果向上

ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)戦略を取り入れ、国外で成果を上げたLinkedInドキュメント広告を国内市場向けに最適化しました。

ABMではターゲット企業・職種・役職を精緻に設定します。

その結果、ご相談いただいた蓄電・発電に必要な二次電池や機器の製造を事業として行う製造会社様では、コンバージョン率2.2%、リード単価約4万円を記録しています。

実施事例については以下の記事で詳しくまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

関連記事:国外にて成果がでたLinkedIn広告施策の国内展開における実施事例

広告運用とLP改善でリード数3倍・案件創出数5倍

広告運用とLP上のCTA最適化やフォーム改善を組み合わせたことで、ユーザー導線を改善しました。

対象クライアントの建設系DX企業は、LP経由での売上をさらに拡大したい目標がありましたが、リスティング広告に関するノウハウが不足している状況でした。

広告のチューニングやLP改善などを行った結果、CPAを約60%改善し、リード数3倍・案件化数5倍を達成したのです。

詳しい改善事例については以下でまとめていますのでぜひ記事をご覧ください。

関連記事:広告運用とLP改善でリード数3倍・案件創出数5倍を実現

5,000名規模イベント成功

高品質なバルブや流体制御機器の提供を行う株式会社キッツの中期経営計画の発表に合わせ、5,000名規模のイベントの企画から運営を実施し、成功につなげました。

ゾーニング設計や導線計画、造作演出、受付システム設計など、来場体験を重視した設計を徹底した結果、申込6,800名・来場4,800名・歩留まり率70%を記録しています。

また、来場者のうち約850名が追加説明を希望し、商談創出と成長市場への認知拡大に成功しました。

戦略・クリエイティブ・運営を一体化することがイベント効果最大化につなげられた事例です。

イベントの舞台裏については以下の記事で紹介しています。

関連記事:5,000名規模イベント成功の舞台裏:中期経営計画を形に

マーケティング費用はKGIや粗利から逆算して決定しよう

BtoBマーケティングを成功させるには、KGIや粗利を基準に費用配分を逆算することが大切です。
戦略的に投資を行い、PDCAを回しながら最適化することで、リード獲得・商談化・受注といった各段階の成果を最大化できます。

ITコミュニケーションズでは、BtoBマーケティングの戦略立案から施策実行、効果測定までを一貫して支援しています。
Web広告やホワイトペーパー・記事制作、展示会出店の企画・運営など、幅広くマーケティングをご支援しています。

顧客に寄り添った対応を一貫して続けた結果、2024年度は4,900案件のご相談をいただきました。
無料相談もお受けしていますので、ぜひお気軽にご相談ください。