展示会でより多くのリードを獲得するには、事前準備やブース設計、当日の対応、フォロー体制まで、一連の流れを戦略的に設計することが欠かせません。
ここでは、展示会でリード獲得数を増やすための具体的な方法を10個紹介します。
- リード獲得数の目標を決めておく
- 大型の展示会に出展する
- 出展ブースの選定場所にこだわる
- ブースづくりでは開放型レイアウトを意識する
- 来場者が立ち止まりやすいブース設計にする
- 展示会出展の旨を事前に告知する
- 役割分担を決めておく
- トークスクリプトを作成しておく
- 事前にロープレを実施しておく
- ノベルティグッズを用意しておく
組み合わせて実践することで、展示会での集客効果を最大化し、商談や契約につながるリードを効率的に獲得できます。
リード獲得数の目標を決めておく
展示会におけるリード平均獲得率は、ブース来場者数に対して1~3%程度が相場です。
たとえば、1,000人来場した場合、10~30人をひとつの目安として、獲得したリードから実際の商談に進む割合(商談化率)は、1~5%程度が目標数値でしょう。
また、リードの獲得数と商談数を達成するため、KPIを設定しておくのも大切です。
KPIとは最終目標を達成するために立てる中間目標を指します。
自社商材への関心の高さや決裁権の有無などを評価にしておくと、自社商材に関心の高い見込み顧客の判別も図れるでしょう。
下記では、効率的に見込み顧客を増やすための広告手法について詳しく解説しています。
より理解を深めたい方は、ぜひご確認ください。
リード獲得に最適な4つの広告とそのメリットを紹介
大型の展示会に出展する
リード獲得数を増やすには、来場者数の多い大型展示会を選ぶこともおすすめです。
数百社規模が出展する展示会では、来場者が数万人〜数十万人規模にのぼることもあります。
たとえば、最先端テクノロジーが集まる「CEATEC(シーテック)」は、経済発展と社会課題の解決をテーマに開催される日本最大級の展示会です。
2024年の来場者数は約112,000人に達しており、BtoB商材やDX関連サービスの出展企業には好相性の場です。
来場者層が明確な専門展示会では、購買意欲の高いリードを効率的に獲得できる可能性があります。
出展先を選ぶ際は、自社商材との親和性やターゲット層が明確な展示会かどうかを意識しましょう。
出展ブースの選定場所にこだわる
展示会でリードを効率的に獲得するには、ブースの立地選定が重要です。
理想は、人の流れが多く視認性の高い場所です。たとえば以下のような場所が挙げられます。
- メイン通路沿い
- 大手企業ブースの近く
- 出入り口付近
なお、競争率が高く費用も上がりやすいため、出入り口付近を狙うのも効果的です。
出入り口は必ず来場者が通過する動線上にあり、視界に入りやすく声かけもしやすいため、自然な接点を作りやすいエリアです。
大型の展示会で出入り口が複数ある場合、メイン入口以外のサブ動線を狙うのも有効でしょう。
また、自社商材と関連性の高いセッションや講演後に合わせて声かけを行うと、テーマに関心をもつ来場者と出会いやすく、商談化の確度も高まります。
戦略的に動線とタイミングを掛け合わせることで、質の高いリード獲得につながるでしょう。
ブースづくりでは開放型レイアウトを意識する
来場者が立ち寄りやすいブース設計も、リード獲得率を左右します。
通路から内部が見えない閉鎖的なブースは心理的ハードルが高いため、L字型やコの字型の開放レイアウトを意識しましょう。
外からでも展示物やパネル内容が一目で理解できるように配置し、興味を引くビジュアルを正面に設けるのが効果的です。
また、関心度の高い来場者と落ち着いて話せるよう、奥には簡易パーテーションで仕切られた商談スペースを確保しておくとスムーズです。
視認性と安心感を両立したブース設計は、自然な来場導線を生み、リード獲得単価の改善にもつながるでしょう。
来場者が立ち止まりやすいブース設計にする
ブースの前を通るだけの来場者を振り向かせるには、視覚的インパクトと体験要素が欠かせません。
展示会で成功している企業の多くは、来場者に足を止めてもらえる仕掛けを意識しています。
具体的には、以下のような工夫が効果的です。
- 高い位置に社名・ロゴ・キャッチコピーを掲示
- 商品展示やデモンストレーションの実施
- 図・グラフ・動画などのビジュアル要素を活用
- 体験・操作ができる実演コーナーを設置
また、来場者が立ち止まった際にすぐ話しかけるのではなく、まずは資料や展示物に目を通してもらう時間を作ることも大切です。
集客担当者は商品の前で立つのではなく、やや奥まった位置に立ち、自然なタイミングで声をかけましょう。
展示会出展の旨を事前に告知する
展示会で効率よくリードを獲得するには、事前の告知活動が重要です。
まずはより多くの来場者を集めるためにも、自社ホームページ・SNS・メルマガなどで出展情報を広く告知しましょう。
出展ブースの位置や展示内容、新商品発表やセミナー開催といった来場する理由を明確に伝えることで、潜在顧客の来場動機を高められます。
さらに、展示会前にウェビナーやオンライン説明会を実施し、テーマに興味をもつ層を事前に温めておくことで、当日の商談率が向上します。
オンラインでの発信は、単なる配信ではなく参加する価値を伝える内容にすることが成果につながるでしょう。
また、すでに自社に関心をもつ見込み顧客の連絡先がわかっている場合は、出展情報をDMやメールで案内し、来場を促しましょう。
展示会後のフォロー率・商談化率を高められるだけでなく、休眠顧客の掘り起こしにもつながります。
役割分担を決めておく
展示会当日は、限られた時間の中で数多くの来場者に対応する必要があります。
そのため、事前に明確な役割分担を設定しておくことが、スムーズな運営とリード獲得効率の向上につながります。
基本的なチーム構成としては、以下の3つの役割を明確にしておくとよいでしょう。
展示会はチーム戦であり、ひとりの力量では成果を出すのは難しいでしょう。
とくに来場者の多い展示会では、誰がどの段階で対応するのかを明確に決めておくことで、機会損失を防げます。
また、役割を固定化しすぎず、チーム全員が最低限の知識を共有しておくことも大切です。
万が一のトラブルや人員不足にも柔軟に対応でき、全体の稼働効率も向上するでしょう。
トークスクリプトを作成しておく
展示会ではトークスクリプトを作成しておくと効率的なリード獲得につながります。
トークスクリプトとは、来場者にどのような言葉で話しかけ、どのような順番で説明を行うかをまとめたマニュアルのことです。
とくに、展示会でリードを増やすには、来場者への最初の声かけ(ファーストアプローチ)が大切です。
いきなり商品を勧めるのではなく、以下のように課題を引き出す質問からはじめましょう。
- 「システム運用コストが増えてお困りではありませんか?」
- 「人手不足で業務が属人化していませんか?」
「呼びかけ → ヒアリング → 商品紹介 → クロージング」という一連の流れを簡潔に整理し、役割ごとに話す内容を整理しておくことが大切です。
たとえば、来場者の興味を引く呼びかけや課題を聞き出すヒアリングは、受付担当やサポート担当が担い、ここまでを30秒〜2分程度で完結できるように設計するとスムーズです。
その後、商品紹介やクロージングは専門知識をもつ担当者が対応し、より具体的な提案や資料案内につなげると、ブース全体の動きに一貫性が生まれます。
どれほどブース設計がよくても、担当者によって説明の内容が異なると、来場者に不信感を与えたり、商談化のチャンスを逃してしまう可能性があります。
そのため、作成したスクリプトは全員で共有し、誰でも一定の品質で対応できる体制を整えることが重要です。リード対応の属人化防止にもつながるでしょう。
事前にロープレを実施しておく
展示会前にロールプレイング(ロープレ)を行い、実践的な練習を重ねておくことが効果的です。
ロープレでは、来場者役・スタッフ役に分かれ、以下のような場面を想定して練習します。
- 声をかける最初の一言
- 商材紹介の要点と時間配分
- 想定質問への回答パターン
- 商談担当への引き渡しの流れ
何度も練習しておくと、本番での緊張が和らぎ、スムーズに会話を進められるようになります。
ロープレを通じて改善点を洗い出し、スクリプト内容をブラッシュアップしておくことで、チーム全体の対応力の底上げにもつながるでしょう。
ノベルティグッズを用意しておく
展示会で自社ブースへの来場を促すには、ノベルティグッズの配布が効果的です。
企業認知が目的の場合は、日常的に使えるアイテムに社名やロゴを入れて、自然と目に入る機会を増やしやすくなるでしょう。
名刺獲得が目的の場合は、まず手に取ってもらうことを優先し、目を引くデザインや珍しいアイテムを選定すると効果的です。
ノベルティは何のために配るのかという用途を明確にして選定することが重要です。
日常的に使える実用的なアイテムを用意すると、来場者に喜ばれやすく、自社の印象も残りやすくなります。
具体的に活用しやすいノベルティ例は以下の通りです。
ノベルティは単なるおまけではなく、自社ブランドの認知拡大やイメージ向上にもつながる重要な施策です。
ノベルティ配布には心理的ハードルを下げる効果も期待できます。
通りすがりの来場者が「少し話を聞いてみよう」と思うきっかけになり、会話の入口として有効に機能します。
さらに、配布条件として名刺交換を設定することで、効率的にリード情報を収集できる点もポイントです。
コストの高いノベルティを大量に配布すると費用対効果が下がるため、コストとターゲット層に響くアイテムのバランスを考慮して選定しましょう。