2026/01/19

BtoB領域では、顧客の情報収集がオンラインへ急速に移行し、デジタルマーケティングの重要性が高まっています。
しかし、多くの企業では「何から手をつけるべきか」「Webマーケティングとの違いは何か」「成果に直結する施策はどれか」が曖昧なまま施策を進め、思うように成果へつながらないケースが少なくありません。
本記事では、BtoBデジタルマーケティングの定義、主要手法などを解説します。
BtoBのデジタルマーケティングは、認知・比較・検討・稟議・導入といった購買プロセスに合わせ、複数チャネルを組み合わせて顧客との関係を構築・強化する取り組みを指します。
広告やSNS、MA、CRMなど、Webサイト以外の接点も含む広い概念であり、従来の属人的な営業活動をデータにもとづくマーケティングへ転換させる役割を担います。
BtoBマーケティングの手法については以下でプロセス別に解説していますので、さらに理解を深めたい方はぜひチェックしてみてください。
関連記事:【プロセス別】BtoBマーケティングの手法を解説|成功への3つのポイントも紹介
デジタルマーケティングは、Webサイトに限らず、広告・SNS・MA(マーケティングオートメーション)・CRM・メール・オンライン商談など、多様なデジタル接点を統合して設計する広範な活動を指します。
一方、WebマーケティングはSEOやLP改善、アクセス解析など、主にWebを中心とした施策がほとんどです。
両者は連携しながら成果を生み出しますが、対象範囲の広さが大きく異なります。
| 比較項目 | デジタルマーケティング | Webマーケティング |
|---|---|---|
| 範囲の広さ | デジタル全体(Web以外も含む) | Web領域に限定 |
| 主なチャネル | Web、SNS、広告、MA、CRM、メール、アプリ、オンライン商談 など | SEO、Webサイト改善、LP、Web広告 など |
| 目的 | 顧客データを活用して購買プロセスを最適化、営業効率・LTV向上 | Webサイト経由の流入増加・CV獲得 |
BtoBでは購買プロセスが長いため、Web施策だけでなく、複数チャネルを組み合わせたデジタルマーケティング全体の設計が必要となります。
BtoBの商材は顧客の検討期間が長いため、複数のチャネルを組み合わせながらリード獲得・育成を行う必要があります。
ここでは代表的なデジタルマーケティング施策を紹介します。
SEOは、課題や比較情報を検索している見込み顧客と自然な接点を作るための施策です。
サイト構造の改善や内部対策、記事制作を通じて、自社サービスに関連する検索キーワードからの流入を狙います。
とくにBtoBでは比較・導入・費用・事例など検討段階のキーワードを押さえることで、資料ダウンロードや問い合わせにつながる導線を構築できます。
中長期で安定したリード獲得が実現でき、広告依存のリスクを下げられる点が特徴です。
BtoBにおけるSNSは、情報収集中の層や準顕在層との接点を作り、認知・信頼形成を進める役割として活用できます。
たとえば、LinkedInの場合ビジネス利用者が多く、職種・業種ターゲティングに強みがあります。
X(旧Twitter)は即時性の高い情報発信に向いており、Facebookは属性ターゲティング精度の高さが特徴です。
各プラットフォームで企業アカウントの発信や広告配信、ナレッジ共有などのコンテンツ運用を組み合わせると、見込み顧客の理解を深め、後のリード獲得施策につなげられます。
Web広告は、顕在層へ迅速にアプローチできる即効性の高い手法です。
とくにリスティング広告は検索意図が明確なユーザーにリーチでき、短期間でリードを獲得しやすい特徴があります。
さらにLP改善やフォーム最適化(EFO)とセットで取り組むことで、問い合わせ獲得から商談化までの転換率を高められます。
事業立ち上げ期や急なリード確保が必要な場面に強く、SEOやSNSなどの中長期施策と併用することで、安定したマーケティング基盤の構築が可能です。
アプリは、製品利用データや行動データを取得し、サービス改善やユーザー育成に役立てられるデジタル上の接点です。
ログイン機能やプッシュ通知を活用することで、継続的なコミュニケーションが可能になり、既存顧客との関係強化に寄与します。
さらに営業資料やマニュアル、FAQなどをアプリ内に集約することで、導入後のサポート体験を改善し、定着率の向上にもつながります。
ユーザーの行動に応じて最適な情報を配信できるため、ナーチャリング施策としても活用しやすい手法です。
MAは、メール配信やスコアリングを通じて見込み顧客を自動的に育成し、適切なタイミングで営業へ引き渡すための仕組みです。
資料ダウンロードやサイト閲覧履歴といった行動データを蓄積することで、検討度合いを可視化し、温度感に応じたコミュニケーションが可能です。
また、CRMや広告プラットフォームとデータ連携することで、リード情報を一元管理でき、営業とマーケティングの連携が強化されます。
営業が本当にアプローチすべき「見込み確度が高いリード」を選別できるため、商談化率向上も期待できるでしょう。
BtoBの長い検討プロセスにおいて効率的な育成・管理が行える点が大きなメリットです。
顧客データ分析やIoT活用は、製品の稼働状況や利用ログを把握し、顧客課題を可視化し、マーケティング施策に活用するための手法です。
利用データにもとづいて、どの機能が使われているか、利用頻度が低い企業はどこかといった情報を把握できるため、導入後のサポート強化や利用促進のナーチャリングが行いやすくなります。
他にも、利用頻度が高い企業には活用事例や上位機能の情報を、利用が停滞している企業には活用方法を解説するコンテンツを配信するなど、行動データにもとづいたマーケティング施策が可能です。
また、IoT連携により故障の予兆検知や運用改善の提案ができるため、顧客満足度や継続率の向上にも直結します。
データを基盤にしたマーケティング戦略全体の精度向上も期待でき、BtoB企業における顧客維持・収益最大化に大きく貢献する施策です。
デジタル活用を進めることで、見込み顧客の行動を可視化できるようになり、営業・マーケティング双方の効率を大きく高められます。
ここでは、BtoB企業がデジタルマーケティングを導入することで得られる主なメリットを紹介します。
デジタルマーケティングでは、行動データや属性データをもとに、見込み顧客にあった最適な情報提供が可能です。
たとえば、資料を閲覧したばかりのユーザーには導入事例を、比較検討段階のユーザーには料金・機能の詳細を提示するなど、検討フェーズに合わせたコンテンツ出し分けができます。
課題に直結した訴求を届けられるため、不要な接触や広告配信を減らし、効率的にリード育成を進められる点は大きなメリットといえるでしょう。
デジタル施策で見込み顧客を育成し、検討度が高まった状態で営業へ引き渡せるため、無駄な架電や訪問を減らして、効率のよい営業が可能です。
資料ダウンロードやサイト行動履歴をもとにリードの温度感を可視化できるため、営業は優先順位をつけてアプローチしやすくなります。
さらにMA・CRMと連携することで、営業が受注確度の高い顧客に集中でき、商談化率や受注率の向上に直結します。
属人的だった営業活動が、データを基盤とした効率的な運用となるのは、デジタルマーケティングのメリットといえるでしょう。
多くの顧客へ効率的にアプローチできるのもデジタルマーケティングのメリットです。
広告・SNS・メールなどを活用することで、人的リソースを使わずに広範囲の見込み顧客へ接触できます。
オンライン施策は地域や時間帯に左右されないため、商圏を超えたリード獲得や情報発信が可能です。
さらに、MAやステップメールの自動化により、同時に多数の顧客へ最適なコンテンツを届けられ、営業が対応できる数を大きく超える規模でリード育成を進められます。
成果につながるデジタルマーケティングには、感覚的な施策ではなく、体系立てた戦略づくりが欠かせません。
以下では、成功に向けたBtoBにおけるデジタルマーケティングの基本戦略を見ていきましょう。
まず、狙うべきターゲット企業と意思決定者を明確にし、カスタマージャーニーを可視化します。
カスタマージャーニーとは、顧客が商品・サービスを認知してから購入・利用・継続に至るまでの一連の購買行動を可視化したものです。
BtoBのカスタマージャーニーは「認知→課題理解→比較検討→稟議→商談」など段階が多いため、フェーズごとに必要な情報やコンテンツを順番に設計することが大切です。
たとえば、初期段階では課題解決記事や導入事例、中期では製品比較資料、後期では料金表やデモ依頼など、顧客が迷わず検討を進められる導線を用意しましょう。
カスタマージャーニーの設計は、マーケティングと営業の連携をスムーズにし、商談化率の向上にもつながります。
ターゲットとカスタマージャーニーが定まったら、目的に応じて最適な配信チャネルを選定します。
顕在層にはリスティング広告、準顕在層にはSNS広告やホワイトペーパー、潜在層にはSEOやSNS発信など、チャネルごとに得意な役割があります。
また、短期的に成果を出したい施策と、中長期で効く施策を分けて計画に落とし込むことも大切です。
ターゲットが日常的に触れる媒体を中心に接点を設計することで、商談につながるリードを効率よく獲得できます。
施策の目的やターゲットに合わせて、LP・記事・ホワイトペーパー・広告クリエイティブなどのコンテンツを準備し、Webサイトや広告、メールなど各チャネルで展開します。
施策を実行した後は、CVR・CPA・商談化率などの指標をもとに成果を確認し、課題を特定します。
分析結果を踏まえて、コンテンツ内容や配信方法、チャネルの使い分けを見直しながら、継続的に改善サイクルを回していきましょう。
さらに、広告文・バナーのABテスト、メールの配信タイミング調整、記事のリライトなど具体的なアクションを継続的に実施しましょう。
小さなテストを積み重ね、成果が出た施策にリソースを集中することで、効率的に商談化率やリード獲得数を高められます。
実際の企業の取り組みを見ることで、デジタル施策がどのように成果に結びつくのかが具体的にイメージできます。
以下では、営業効率の改善や商談創出につながった事例を紹介します。
PC販売のインサイドセールス活動を実施している企業にて、従来はリスト順に架電するだけという非効率なアプローチで、有望な見込み顧客を取り逃している状態でした。
そこで、メール・Web行動・イベント参加情報など複数データを統合し、顧客の状態変化に合わせて架電タイミングやシナリオを最適化したのです。
行動量ではなく確度を基点にしたアプローチへ切り替えたことで、案件発掘率は従来比2倍に向上しました。
結果、インサイドセールスのパフォーマンスを2倍に改善することにつながったのです。
営業側の負荷を上げずにアプローチ精度と商談創出数の両方を引き上げられました。
クラウドサービスを展開するSaaSベンダーでは、展示会リストへのコールドコール中心だった営業活動に対し、自社ツール「シナプス」で可視化したサイト来訪企業データを活用して改善を図りました。
検討度の高い企業を優先的にリスト化することで、アポイント率は3倍に跳ね上がり、無駄な架電が減ったことで稼働時間も6時間削減できたのです。
とくに直近訪問×長時間閲覧のユーザーは商談化率が高く、Web行動データの活用が営業効率を大きく底上げできました。
関連記事:【Web活用】アポイント率・営業効率を3倍に改善!
会計ソフトを提供している企業にて、確定申告期の需要増に合わせてプロモーション動画を制作し、TVer広告で従来接点をもちにくかった層へアプローチしました。
TVer特有の完全視聴率90%超の配信環境と、興味関心ベースの細かなセグメントを組み合わせた結果、高品質な到達が可能になったのです。
Google Analyticsでは、流入ユーザーの100%が初回訪問であることが確認され、新規層への認知獲得に強く貢献できたことがわかりました。
BtoBマーケティングでは、顧客の購買プロセスに合わせて最適なチャネルを組み合わせ、リード獲得から商談化まで一連の流れをデジタルで支えることが必要です。
SEO・広告・SNS・MA・営業データを統合的に活用することで、より確度の高いリード育成や効率的な営業活動が可能になります。
自社の現状に合った施策を選び、小さく検証しながら改善を重ねることで、成果は着実に積み上がっていきます。
下記の資料では、BtoBのデジタルマーケティングに関する概要を世界一わかりやすくまとめました。
体系的な内容を学びたい方はぜひチェックしてください。