Googleは2024年7月22日(月)に、Chromeのサードパーティクッキーの廃止をせず、来年以降もChromeブラウザ内で使用可能な状態を継続することを発表しました。
これに対し、当社では以下のような見解をもとに、みなさまへご案内をさせていただきます。
①サードパーティクッキー利用における当社の考え
これまで問題となっていた、運用型広告における「リターゲティングへの影響」と「コンバージョン計測への影響」に関して、Chromeは現状維持という方針となったため、広告主側で喫緊に対応しなければならないことは現状ない、と考えています。
そもそもの前提として、改正個人情報保護法によれば、クッキー単体は個人情報に該当しないとされています。
また、個人情報保護委員会のFAQにもある通り、広告ターゲティング情報(クッキー、IPアドレス、検索履歴等)は「個人関連情報」に分類され、自社データと照合して個人を特定する仕組みを取り入れていない限りは、個人情報に当たらないとされています。
この「個人関連情報」を当社にて扱う場合、仮に当社データベースと照合して容易に個人を特定できるのであれば、広告配信媒体に対しユーザー本人同意の取り方を予め確認する必要がありますが、そのような形では提供されておらず、本人同意取得を確認することは必須ではないと考えています。
広告ターゲティング情報としてのユーザー情報の取得については、各媒体社のプライバシーポリシーに準じており、基本的に当社が取り扱う媒体はプライバシーポリシーが公開されており、オプトアウトの選択肢も用意されています。
②当社からのご提案・ご案内について
しかしながら、サードパーティクッキーの利用制限は今後も進むと当社はとらえています。
また、サードパーティクッキーの廃止を撤廃する代わりに、ウェブブラウジングに適用される新しい機能をChromeに導入することも発表されていること、Safariなどすでに規制済みのブラウザも存在していることから、引き続きサードパーティクッキーの対策は継続していく必要があると考えています。
さらに今回の一連の動きから、サードパーティクッキーを活用することに対するプライバシー保護への影響や配慮について、各企業の信頼度の観点からこれまで以上に敏感になることが必要と考えています。
そのため自社Webサイト上でのクッキー同意管理ソリューション導入や、クッキーポリシーの明示(クッキーの利用目的の明示)などは引き続き導入を推奨しています。
※当社のクッキーポリシー
https://www.it-comm.co.jp/company/cookie_policy
③サードパーティクッキーに依存しない広告メニュー
サードパーティクッキーの影響によって今後実施が難しくなる可能性が高いのがリターゲティング広告です。リターゲティング広告はCVの獲得の貢献度が高いメニューとして多くの広告主が実施しているメニューですが、今後の影響を考えて早い段階からサードパーティクッキーに依存しない広告を検討していくことで、いざ規制が本格化する際にも大きな影響を受けずに済むことでしょう。サードパーティクッキーに依存しないかたちで広告出稿を実現することができる広告メニューには以下のようなものがあります。
・リスティング広告
・顧客データを活用したターゲティング広告(カスタマーマッチ)
・名刺データを活用したターゲティング広告
・ファーストパーティクッキーを利用したターゲティング広告
・コンテキスト型ターゲティング広告(コンテキストターゲティング)
・広告掲載面指定型広告(プレースメント指定広告)
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サードパーティクッキーに依存しない広告をご検討の方は、ぜひ当社へお問い合わせくださいませ。
④コンバージョンAPIソリューション

サードパーティクッキーの規制によりまず考えなくてはいけないのは、広告の成果を測るコンバージョンへの影響です。
当社としてはコンバージョンAPI(CAPI)を活用して計測を行うことを推奨しています。CAPIとは、サードパーティクッキーを利用せずに広告のコンバージョン計測を行う手法です。
現在課題となっているコンバージョン計測の欠損対策となり、運用型広告のコンバージョン計測や、機械学習による最適化促進効果が期待できます。
コンバージョンAPIソリューションの導入を検討されている方は、ぜひ当社にお問い合わせくださいませ。
⑤クッキー同意ソリューション(同意管理プラットフォーム)

クッキー同意ソリューションとは、Webサイトやアプリ上にクッキーの利用目的や提供先を提示し、同意の取得や管理を行うツールです。
2022年の個人情報保護法の改正に伴う義務が発生しないWebサイトでも、クッキー同意の対応をしていない企業に対し、個人情報関連の取り組みに不安をいだく可能性がないとは言えません。
企業の透明性向上や企業イメージの保持といった観点から、クッキー同意ソリューションの導入を推奨しております。
クッキー同意ソリューションの導入を検討している方は、当社までお問い合わせくださいませ。
⑥まとめ
今回のGoogleの対応にともない、広告成果に対する影響から、プライバシー保護のために必要な取り組みまで紹介してきました。
サードパーティクッキーは今後も利用制限が進むことが予想され、より一層ユーザーへの配慮や利用用途の説明が求められると考えています。
広告出稿のみにとどまらず、クッキーの利用についても広告出稿主企業の配慮が求められるなか、「何から始めればよいかわからない」という方は、ぜひITコミュニケーションズへご相談ください。