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今こそ見直したい! これからのウェビナーの在り方を紹介

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はじめに

皆様は、これまでどれくらいウェビナーを配信してこられたでしょうか。コロナ禍以降、ウェビナーは展示会やセミナーと同様に重要なマーケティング施策として定着しました。ZoomWebex by CiscoGoToWebinarLogMeIn)、Microsoft Teamsといった配信ツールの普及により、手軽に開催できるだけでなく、パソコンさえあれば、上記ツールの利用費用だけ払えばだれでも実施でき、多くの企業が活用しています。

しかし、その手軽さゆえにウェビナーが乱立し、2023年以降、これまでのように視聴者を呼べなくなってきております。

本記事では、ウェビナーのターゲット設定、ウェビナーの集客、撮影から配信、配信後のレポート制作をワンストップで支援してきたITコミュニケーションズ(以下、ITC)が今後のウェビナーの在り方について紹介いたします。

まず、おさらいとして ~ウェビナーが人気の訳~

配信側

2021年に弊社が実施した調査※によると18.7%BtoB企業のマーケティング活動に関わる担当者が過去1年で取り組んだリード獲得施策としてオンライン展示会・セミナー(自社主催)と回答しており、取り組んだ施策で最上位となっております。

※出展元:BtoB企業におけるリード(見込客)獲得に関する実態調査レポート2022スライド1-Jan-21-2025-06-21-11-5046-AM

同調査において、ウェビナーについては開催場所や時間に縛られずに集客可能と地理的制約がなく広範囲にリーチすることができる点、全体的なコストを展示会と比べて抑えることができる点をメリットとして捉えていると、多くの回答者が選んでいました。

ライブ配信はイベント施策と比べても非常に安価に始めることができます。必要なものはパソコンと配信ツールの費用のみで、10万円程度から開始することができる点が人気のある施策として注目されている要素だと考えています。スライド2-3

また、配信されたコンテンツは再度アーカイブとして別日に配信できるや、配信の内容を記事化するなど二次利用することができる再利用性や応用性を期待することができます。

さらにウェビナーからのデータもオフラインと比較して圧倒的に容易である点もウェビナーを利用する要因として考えられます。

関連事例|映像素人v.s.プロによるウェビナー配信実践比較

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本記事では映像素人の弊社メンバーが実際に行ったパソコンカメラ+Zoom配信のウェビナー、カメラ3台とスイッチャーを購入して簡易的に社内に作ったスタジオ、そして映像のプロに依頼をして制作した動画での配信をそれぞれ実践し、比較して見えてきたことをお伝えします。

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視聴側

視聴する側においても、製品やサービスを検討する上での情報源としてリアル、オンライン含め展示会やイベントを重宝しています。

2022年に弊社が実施した調査※によると、製品やサービスの検討に関わる場合にセミナー(リアル・オンライン含む)は46.7%の回答者が重視する傾向にあり、全体でも「各種Webメディア」に次いで4番目に多いことが分かります。

※出展:BtoB商材の購買行動に関する実態調査レポート2023スライド4-3

 

近年、人気な施策のはずのウェビナーが抱える課題とは?

しかしながら、ウェビナーを実施する企業が爆発的に増えたことで視聴者や申込者の減少が見受けられる課題が表面化してきました。2023年に入り、ウェビナーを開催してもコロナ禍の水準と比べ、申し込みと視聴数を確保できなくなっていると、ITCがご支援してきてきた企業様からご相談をいただくケースが増えております。

乱立だけが原因ではない、乱立しているがゆえに視聴者の目が肥えてきてしまっている

集客を含め、視聴者数が減少傾向にあるのは近年のウェビナーが視聴者のニーズに十分にマッチすることができてなくなってきていることが大きな原因としてあります。

製品紹介を行うウェビナーを繰り返しているだけでは、視聴者が知りたいことのニーズを満たすことができず、「この会社のウェビナーはつまらない」とレッテルを張られてしまい、2度と見られなくなってしまいます。業界の専門知識や新しいトレンド、新しい技術情報など毎回新鮮で驚きのあるウェビナーが求められてきています。

今後継続してウェビナーから成果を生み出すために大事なのは? ~関心がある内容のコンテンツを用意する~

では、業界の専門知識や新しい情報を受け取ってもらうためのウェビナーだけをとにかく行えばいいのかというとそういうわけではありません。大事なのは、どういう対象に、どのような内容をタイミングよくで提供できているかが今後のカギとなってきます。

「どういう対象」とは

ウェビナーに限らず、企業が発信するコンテンツは下記の3つタイプの対象に向けて行われます。この対象の分類ごとに、コンテンツ内容を検討することが大切です。

3つの対象 

▼興味関心層

興味関心層は自社のことや商品やサービス名は聞いたこともないし、探してもいない。一方で何かしらの課題は抱えていて、課題を解決するために広く情報を集めている潜在顧客を指します。この層の顧客は主に情報収集段階にあり、関連するトピックについて調査を始めたばかりです。この層はには、商品やサービス情報よりも、業界知識や最新の情報を提供することが大切です。

 

▼比較検討層

比較検討層は、課題が明確で、解決のための手法として、何かしらの製品やサービスを調べ始めている見込み顧客を指します。この層には自社製品の優位性や差別化ポイントを強調することが重要です。詳細な製品情報やケーススタディ、競合との比較資料などを提供し、購入意欲を高めるための説得力あるアプローチが求められます。

 

▼購入検討層

購入検討層とは、具体的な購入意志が芽生えた顧客群であり、実際の導入について最終判断を下そうとしている段階にあります。この層は、社内を説得するための情報、導入のための決め手となる情報をあつめているので、後押しとなる事例の提示や、差別化ポイントを明確に提示する、特別なオファーを用意するなどが大切になります。

「どのような内容」とは

ここではイメージしやすいように、3つの層に対しての具体的なウェビナータイトル案を書き出してみました。自社ウェビナーの企画の際に、狙いたいお客様層とマッチしたタイトル、内容のウェビナーとなっているか照らし合わせてみてください。以下の図1のステップ1より順番に各顧客の状態に合わせ、どのようなウェビナー企画が適当であるのか解説いたします。

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各層の顧客に向けて態度変容を起こすために必要なウェビナーの内容と趣旨について

▼興味関心層向けタイトル(図1のステップ1)

ステップ1に申し込む多くの人は「ウェビナーのタイトルに興味をひかれた」や「自分が所属する業界の話題に触れているテーマであったから」といった傾向にあります。

旬なテーマを紐解くようなウェビナーがステップ1で行えると、これまで主催企業側が接点を持ってこなかった未来の顧客と出会えるキッカケづくりになるコンテンツになります。

タイトル例

「業界トレンドから読み解く、次世代ビジネス戦略」

「デジタル変革時代における競争力強化のヒント5選」

「最新テクノロジーが変える企業の未来像とは?」

 

比較検討層向けタイトル(図1のステップ2)

ステップ2ではケーススタディを用いることで似たような課題やニーズを抱えた企業がどのように解決していったのかはイメージを持ちやすくなります。イメージ持たせられることで、自社でも同様の成果や効果を得たいと感じさせることができます。

得られる効果(ベネフィット)をどれだけ具体的に視聴者に伝えられるかが、大事なポイントになります。

タイトル例

「御社の課題を解決!具体的な導入事例から学ぶ改善アプローチ」

「コスト削減と生産性向上を実現するために必要なスキル」

「失敗したくない!ツール選定のための実践的評価ポイント」

 

▼購買検討層向けタイトル(図1のステップ3→購入)

ステップ3では、購入/導入後のサポート体制や、Q&Aセッション、ウェビナー参加者限定に提供されるオファー情報の発信などがあると、顧客が安心して購入できると感じる情報を軸にすることが大切です。

タイトル例

「○○商材名○○の簡単導入支援プログラムと特別体験プログラム」

「○○商材名○○を使って投資対効果最大化する運用のコツ」

「○○商材名○○活用でDX推進を加速!専門家による集中指南セミナー」

このように、自社の商品やサービスに興味のないユーザーを振り向かせ、購入につなげるためには、単に商品説明を行うウェビナーを繰り返すのではなく、ステップを踏んだウェビナーの企画と実施により、顧客の態度変容を促すことが、最終的に案件化、受注への成果を高めていくにはに大切です。

その他、視聴者を繋ぎ止める上でできること

必要なコンテンツの中には、視聴者を繋ぎ止めておくためにも、お客様の興味関心に合わせて別のウェビナーに促す以外にもデモ予約や無料相談もしくは内容に合った資料DLWPダウンロードも含まれます。

この記事内容に関連したウェビナーのアーカイブがございます。

B2B動画活用のこれまでとこれからを、映像制作会社の株式会社エル・エー様、動画プラットフォーマーのブライトコーブ株式会社様をゲストに迎えて実施いたしました。

顧客が逃げていく動画とは?~B2B動画新時代の到来~

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B2B動画新時代の到来をテーマに、顧客が知らずに逃げていってしまう動画の具体例を交えながら、B2B動画活用のこれまでとこれからを、映像制作会社の株式会社エル・エー、動画プラットフォーマーのブライトコーブ株式会社をゲストに迎え、各企業視点から語ります。

配信の一部をまとめたブログも掲載しております。お時間がない方はこちらをぜひご覧ください。

ブログ記事:https://www.it-comm.co.jp/media/btob-movie_1

ウェビナーの戦略設計からサポートを実施 ~年間600案件以上のイベント企画・運営を支援~

これまで今後のウェビナーのあり方について紹介してきました。

ただ、ここまで読んでいただいたうえで、継続的にウェビナーを開催するだけのコンテンツを用意する目途が立てられるかどうか不安に感じられていらっしゃるマーケティング担当者の方も多いのではないでしょうか。

実際、弊社が2021年に行った調査※ではコンテンツが不足してしまっていると感じている要因として、「戦略ができていない」(58.4%)と「企画のノウハウがない」(48.3%)がマーケティング活動に関わる担当者の中で上位にあることが分かっております。

実際、弊社が2021年に行った調査※ではコンテンツが不足してしまっていると感じている要因として、「戦略ができていない」(58.4%)と「企画のノウハウがない」(48.3%)がマーケティング活動に関わる担当者の中で上位にあることが分かっております。

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ITコミュニケーションズではコンテンツ不足解消のためのご支援を実施させていただいております。ウェビナー実施のための運営だけでなく、実施に向けた戦略設計、企画、有識者のアサイン、撮影、収録、編集、開催後のレポート分析に至るまですべて一括でご支援可能です。

ライブ配信からオンデマンド配信まで幅広く対応します。これからのウェビナーに興味がある方、お悩みの方はぜひお問い合わせください。