皆さんはウェビナーをどのように取り組まれていますでしょうか?2020年以降多くの企業が、ウェビナーをその他イベント同様にマーケティング施策の一環として取り入れてきました。マーケティングからセールス領域におけるご支援をしてきたITコミュニケーションズ(以下ITC)のお客様からもウェビナーに関するお問い合わせを多くいただき、配信のご支援をしてきました。
一方でお客様からの率直な声として、「ウェビナーの効果を上げたいが、プロに任せるべきかわからない」「お金をかけて演出しても費用対効果に疑問あり」「ZoomやTemas等の配信ツールを使ったウェビナーに落ち着いてしまっている」と伺うことがあります。
本記事ではお客様からの疑問を解決するため、映像素人の弊社メンバーが実際に行ったパソコンカメラ+Zoom配信のウェビナー、カメラ3台とスイッチャーを購入して簡易的に社内に作ったスタジオ、そして映像のプロに依頼をして制作した動画での配信をそれぞれ実践し、比較して見えてきたことをお伝えします。
目次
1.映像素人がパソコンカメラ+Zoomで配信
2.映像素人が機材をそろえて社内に作ったスタジオで配信
3.映像のプロに依頼
4.比較まとめ
映像素人がパソコンカメラ+Zoomで配信
- できること
⊳パワーポイントの準備と話すことを決めればすぐに配信可能
⊳集客LPと申し込みページ、申し込み後の受講メールもツール内で完結
⊳カメラ付きのパソコンがあれば誰でも配信できる
⊳チャットやQ&A機能を使って視聴者との双方向のやり取り
- できないこと
⊳1名づつ話すのが基本で対談や鼎談は不向き
⊳ものを見せるのは不向き
⊳テロップの追加や柔軟な画面レイアウト変更はできない
⊳画面共有で動画(デモ動画や商品動画)を流すとカクついてみるに堪えなくなる
⊳パソコンの不具合、回線不良時のバックアップ体制が取れない
- 利用用途
⊳数10名から100名程度が参加する営業や商品やサービス担当によるプレゼンテーションとQ&A商品アップデート情報の説明会
⊳お客様の興味関心がすでに自社に向いているユーザー向け
ある程度自社のことを理解いただいているホットリードや既存顧客など、マーケティングファネルのミドルファネルからボトムファネルのユーザーにマッチしていて、売りに近く、コストもツールとパソコンさえあればよいため、費用対効果が最もわかりやすく出る可能性が高い。
一方でトップファネル向けのソートリーダーシップコンテンツとよばれる、ターゲット市場や顧客に対して「示唆」や「洞察」を提供して、顧客の課題解決の方針示し、自社に気持ちを向かせるような演出をするには力不足。
映像素人が機材をそろえて社内に作ったスタジオで配信
- 機材
⊳カメラ:3台(登壇者用2台、全体用1台)
⊳音響機器:ピンマイク
⊳照明器具:適切なライティング装置
⊳スイッチャー:映像切り替え装置
⊳PC:配信用およびスイッチャー操作用
⊳三脚
⊳返しモニター:登壇者が撮影中もしくは配信中に確認できる用のモニター
⊳メインモニター:撮影中の映像(カメラ3台分)チェック用のモニター
- できること
⊳カメラ複数台とスライド、動画再生パソコンを切り替えて配信可能
⊳事前に決めたテロップを追加することが可能
⊳パワーポイント、カメラの映像、パソコン画面を自由にレイアウトできる
⊳回線が安定していれば、映像もカクつかず配信が可能
⊳1名から3名程度まで参加する配信が可能
- できないこと
⊳配信中にカメラのズームやパンやチルトを調整しようとすると、トラブルの原因になりやらなくなる
⊳事前に決めていないテロップを配信中に作って追加することはほぼ不可能
⊳カメラ位置、ライティング、音声調整が大変で一度セットすると移動はおっくうになる
⊳何か問題が起きた時の問題の切り分けに時間がかかり、配信をすぐに復活できない
- 利用用途
⊳事例先企業と営業やサービス担当による対談
⊳有識者と経営層の対談
⊳その場でものを見せるデモンストレーション
⊳カクつきのない映像デモを流す配信
⊳お客様の興味関心がすでに自社に向いているユーザー向け
機材をそろえる初期費用に50万円程度がかかるが、有識者との対談や事例企業との対談、ブランド映像コンテンツなど、トップファネル向けのソートリーダーシップコンテンツを配信することも可能になる。
一方で、配信場所の柔軟性を持たせることは難しいため、映像背景が同じになりがちでマンネリ化する可能性がある。配信していくうちに欲が出てきて、リアルタイムにテロップを編集して入れたり、カメラを動かす、スローを入れるなど、新たな演出をしたくなるものの限界を感じるようになってくる。
また機材を使いこなせる人間が最低でも2名は必要で、機材のメンテナンス、アップデート、問題への対処等を誰が担当とするかは問題になる可能性が高い。
映像のプロに依頼
- できること
⊳企画次第でなんでもできる
⊳高品質な映像配信、カメラを動かす、ドローン、CG、Vtuberを入れる等
⊳場所も制限を受けない
⊳機材、回線のバックアップを持ち、途切れない配信が可能
- できないこと
⊳社内スタジオ以上のことをすると100万円以下のコストに抑えることは難しい
⊳事前準備や下打ち合わせ、下見なしでは配信はできない
- 利用用途
⊳トップクラス有識者、芸能人等との対談によるソートリーダーシップコンテンツ配信
⊳日本と海外支社の遠隔地の対談配信(同時通訳つき)
⊳工場の中や車、事例先など特殊環境からの配信
⊳人は出ずにCGやVtuberなどを使い自社のマスコットキャラクターを出演させる配信
⊳3名以上でテレビ番組のひな壇風のセットでのトークショー配信
⊳音楽アーティストやオーケストラによるライブとトークショー配信
自社に興味を持ってもらう、感覚に訴えかけて、視聴者に行動を起こさせるようなコンテンツを配信する場合は企画やコンテンツの中身に力を入れるべきで、集客や配信の機材、演出はプロに任せることで、アーカイブ配信で何度も利用したり、オウンドメディアやメディアタイアップ等にも流用するなど繰り返し使うことで、費用対効果が高くなる。
ほぼ同じようなコンテンツを自社スタジオで配信する、プロに任せて配信するを比較すると、視聴の満足度、「わかりやすい」「また配信を期待しています」という声の割合は明らかにプロに任せる方が増える。
一方で、集客力のある有識者を呼べるか、適切な集客をできているか、映像も繰り返し流用することを念頭に置いた事前の設計がされているか、効果の計測方法の定義をしっかりしているかなど、複雑な要素で成果の良しあしが大幅に変わるため、映像のプロに任せるにしても知見のある人がディレクションをする必要があります。
比較まとめ
配信方法
|
映像素人がパソコンカメラ
+
Zoomで配信
|
映像素人が機材をそろえて
社内に作ったスタジオで配信
|
映像のプロに依頼
|
できること
|
・すぐに配信可能 ・誰でも配信できる ・双方向のやり取り可能
|
・カメラ、スライド、動画再生の切り替え可能 ・テロップ追加可能 ・自由なレイアウト可能 ・1名から3名程度の配信可能
|
・企画次第でなんでも可能 ・高品質な映像配信 ・場所の制限なし ・途切れない配信可能
|
できないこと
|
・対談や鼎談は不向き ・ものを見せるのは不向き ・柔軟な画面レイアウト変更不可 ・動画共有時のカクつき ・バックアップ体制の不備
|
・配信中のカメラ調整は難しい ・配信中のテロップ追加は不可能 ・カメラ位置等の移動は困難 ・トラブル時の切り分けに時間がかかる
|
・低コストでの実現は難しい ・事前準備や打ち合わせが必要
|
利用用途
|
・営業や商品 ・サービス担当によるプレゼンテーションとQ&A ・商品アップデート情報の説明会 ・ホットリードや既存顧客向け
・ボトムファネル向け施策での利用が多い
|
・事例先企業と営業 ・サービス担当による対談 ・有識者と経営層の対談 ・デモンストレーション ・カクつきのない映像デモ ・ソートリーダーシップコンテンツ配信
・ミドルファネル向けの施策での利用が多い
|
・トップクラス有識者、芸能人等との対談 ・遠隔地の対談配信 ・特殊環境からの配信 ・CGやVtuberを使った配信 ・テレビ番組風のトークショー配信 ・音楽アーティストやオーケストラによるライブとトークショー
・トップファネルからミドルファネル向けの施策で利用が多い
|
コスト
|
・機材:パソコン1台10万円程度の初期投資 ・配信ツール:Zoom Webinar 月1万円程度
|
・機材:カメラ、スイッチャー、モニター、照明などで50万円程度の初期投資 ・配信ツール:Zoom Webinar 月1万円程度
|
・集客:単価15,000円~4,000円 ・外注費:100万円~都度
|
ウェビナー配信をアップデートしたい方ご相談ください!
自社のウェビナー配信を改善したい方はぜひ、素人配信もプロの配信も一通り経験してきた弊社にお気軽にご相談ください。ターゲット設定、集客、有識者のアサイン、撮影から配信、配信後のレポート制作をワンストップで支援しております。
Marketing Science TV
ITCではこれまで内製で制作してきたウェビナーをアーカイブという形で自社のオウンドメディアに公開しております。本記事で紹介しました内容を実践しておりますので、内製でウェビナーを発信することを考えている方はぜひご覧ください。
https://marketing-science.it-comm.co.jp/top_2311