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GA4の移行が急がれる訳とは?GA4へ完全移行する前にやっておくべきこと

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MARKETER'S NOTE

2023年7月1日を持ってユニバーサルアナリティクス(UA)のデータ集計が終了します。2024年1月1日にはUAへのアクセスもできなくなり、サービスとして終了することがGoogleより発表されています。(※)

既に後継のGoogleアナリティクス4(GA4)が利用できる状態になっています。
UAとGA4を両方使える今の状況だからこそアクセス解析担当者が気にすべき点は何でしょうか。

既にみなさんも多くの記事やWebサイトで、GA4への早期移行を促す内容を目にされていると思います。実際に弊社でも2023年に入ってGA4への移行・導入についての相談をいただく機会が増えてきました。

本記事では、弊社でGA4移行・導入から運用をご支援してきた実績から気づいた、今だからこそ検討したい点を紹介いたします。

※有償版のアナリティクス360は2024年7月1日にデータ集計終了、2025年1月1日にサポート終了予定

Googleアナリティクスが求められる背景

GA4は、2020年10月にβ版が発表されたUAに変わる新しい計測ツールです。
UAをアップグレードするのではなくGA4が新たに開発された背景には、いくつかの環境変化が挙げられます。

以下にGA4開発の背景となった3点を紹介します。

➀複雑化するユーザー行動への適応

UAではスマートフォンアプリなどの画面遷移が伴わない行動をトラッキングすることが非常に困難でした。
これはUAがWebページの解析ツールとして開発されたことによる弊害です。
GA4ではWebページではなくユーザーの行動ひとつひとつをイベントとして計測することで、デバイスやアプリに影響されないデータ集計が可能になりました。

②データプライバシーの規制強化への対応

近年、個人情報保護の観点からGDPRCPRAなど、Cookie利用の規制が強化されています。
UAでは同一ユーザーの特定にCookieを活用しており、この規制の影響が集計結果に表れていました。
GA4ではCookieの活用を最小限に留め、同一ユーザーの判定にGoogle独自の判別方法である「Googleシグナル」が導入されています。

③AIによる予測機能の実装

AIによる機械学習の進歩に伴い、アクセス解析においてもデータの予測が可能になりました。
計測数値と予測値に異常があればアラートが出たり、コンバージョン率が高い/低いユーザーを割り出したりとデータの分析、改善のサポートが充実しました。

参考リンク:
https://wacul-ai.com/blog/access-analysis/google-analytics-4/what-is-google-analytics-4/#s0202

https://sitest.jp/blog/?p=26139#link02

 

UAとは設計思想の異なるGA

時代とユーザー行動の変化に合わせて開発されたGA4。

UAからアップデートされたツールというよりも、設計思想が異なるツールとして認識する必要があります。
GA4ではUAとは異なる設計思想が取り入れられたことにより、大きく2つの点で変わっています。
1つ目は設計思想が「Webページのアクセス解析」から「ユーザー行動の解析」へと変化し、計測方法がセッションベースからイベントベースに変更されたこと。
2つ目は計測指標の名称の変更に加え、計測の定義も変わっていること。
リードの情報を獲得しただけでは、購入にはつながりません。彼らのなかに芽生えたニーズを絶やすことなく、購入を決断する段階にまで育成することもまた不可欠なのです。

BtoBのWebサイトで使われるアクセス解析指標のうち、名称や名義が変わった主な指標を以下に5つ紹介いたします。

GA4_01

計測できる指標の定義が変更されたことにより、当然集計結果にも差異が出ます。
どの程度の差異が出るのか把握するためには、UAとGA4で同じ期間・同じ指標でデータを集計し、両者の数値を比べ、乖離を控えておくと安全です。
これはUAとGA4の両方を運用できる今だからこそ可能な対策となるため、できるだけ早くGA4でデータ集計できる状態にしておくことが重要です。

 

GA4プロパティを開設したら確認した方がよいこと

ここからはGA4プロパティを開設しただけでは使えない項目や、手動で設定を行わなければ集計できない計測項目について説明します。

GA4の拡張計測機能項目

UAではGTMの設定が必要だったいくつかの計測項目が、GA4では拡張計測機能をONにするだけで簡単に計測できるようになりました。(拡張計測機能は「管理」⇒「プロパティ」⇒「データストリーム」⇒「設定をしたいデータストリーム名を選択」から設定できます。)
以下の6項目が拡張計測機能で計測できるようになった項目です。

  • スクロール率
  • 外部サイトへのクリック数
  • サイト内検索
  • 動画再生、完了
  • ファイルのダウンロード数
  • フォーム入力数、離脱

GA4_02

手動で設定しないと計測できない項目

以下に代表される項目は手動で設定が必要です。
基本的にはUAで計測する場合でも目標設定や、Google Tag Manager の設定が必要だったものはGA4でも同様に設定が必要、と考えましょう。

  • 目標(CV)
  • カスタム指標
  • カスタムディメンション
  • クロスドメイン
  • 集計除外設定
  • 外部ツール連携

GA4_03

 

GA4の移行期間にやっておくべきこと

前述のとおり、GA4ではアカウントを開設すれば計測ができる項目と、拡張計測機能をONにして計測できる項目、1から設定が必要な項目の3種類があります。

それぞれGA4もしくはGTMの設定ミスやWebサイトの仕様による計測漏れなど、様々な要因によりうまく計測されないケースもあります。

UAとGA4の数値的乖離がどの程度かを把握するためには、比較対象として少なくとも1か月のデータは必要です。
GA4プロパティを新たに開設した時点で設定ミス等が発覚すると、その設定を調整するための時間も必要となるため、十分な比較期間を確保するためにも早めにGA4の計測を始めましょう

 

まとめ

UAとGA4でツール自体の考え方が変わっていることもあり、集計指標や計測値にも差異が出ることはお分かりいただけたと思います。

Webサイトの仕様やGA4・GTMなどの設定ミスなどによって、必要なデータが集計されず、解消するために細かな設定のチューニングが必要となるケースもあります。
弊社では、GA4プロパティの開設からデータ計測のためのチューニングまで、GA4運用のご支援もさせていただいております。
GA4の導入・運用でお困りの方はぜひITコミュニケーションズにお問い合わせください。