2022年以降人々の働き方は、出社のみならず、在宅ワークや、サテライトオフィスなど、様々なスタイルが混在した働き方が主流となってきています。変わりつつあるのは働き方だけではありません。マーケティングコミュニケーションも変化しています。高まっています。Googleトレンドの検索傾向を見てみると、展示会・イベントの需要が戻りつつあります。2023年以降のマーケティングコミュニケーションでは、リアルとオンライン、どちらも考慮したハイブリッドで開催するケースが増えてくると考えます。実際に、弊社でもハイブリッド開催のイベントへの引き合いが増えていることも事実です。
そこで、本ブログでは、弊社がこれまでに実施をしてきたBtoB向けのマーケティング施策でのハイブリッドイベントから、失敗しない実施方法のポイントをまとめて紹介します。
参照元:Google Trends
ハイブリッドイベントとは
ハイブリッドイベントとは、リアルとオンライン両方で参加可能なイベントのことを示しています。ハイブリッドイベントを開催することで、参加者は自身で参加方法を選択でき、ひとりひとりにあった形で情報収集のニーズを満たすことができます。
ハイブリッドイベントの分類
ハイブリッドイベントには3つの開催方法があります。
① リアルメインでの開催
リアルメインでのハイブリッドイベントは、「実体験、経験」を参加者に提供することをメインコンテンツにした場合の開催方法です。
例えば、展示会で実際の製品を触ってもらったり、デモをしたり、ワークショップで参加型のディスカッションをしたり、参加者の前で表彰式を行うなどといった場合の施策イメージです。このように、実際に経験、体験してもらうコンテンツがメインの場合は、リアルを中心にハイブリッドイベントの設計を考えます。
② リアルとオンライン比重が同じでの開催
リアルとオンラインがどちらも同じ比重となるハイブリッドイベントは、イベントへの集客対象人数が多い場合の開催方法です。
例えば、1000名を超えるような企業での全社を対象にしたキックオフイベントや幅広い方に該当するテーマでのトークショー型のセミナーなどでの施策イメージです。この場合、会場のキャパシティーなどの理由で、全員がリアルで参加できるとは限りません。このように、集客対象人数が多い場合は、リアルと合わせて、参加場所の制限がないオンラインの設計を考え、ハイブリッドイベントを開催します。
③ オンラインメインでの開催
オンラインメインでのハイブリッドイベントは、主催社側から参加者に向けて、インプットしてもらいたい情報を伝えることを目的とした場合の開催方法です。
例えば、製品やサービスのアップデート情報の紹介や株主総会、事業説明会など、パワーポイントを利用したコンテンツがメインになる施策イメージです。このように、インプット中心のコンテンツがメインの場合は、オンラインメインでハイブリッドイベントの設計を考えます。
ハイブリッドイベントを開催するメリット
BtoBマーケティングでのイベントの目的は、主にリード獲得、もしくは顧客ナーチャリングです。ハイブリッドイベントを開催することで目的に対してのメリットはどこにあるのでしょうか?
リアルイベントでの参加者の顧客エンゲージメントを高めることができる
当たり前の話ではありますが、リアルでイベントを行う醍醐味は、参加者と直接的なコミュニケーションが取れることです。イベント開催前の時間や、開催後の時間のみならず、イベントでのコンテンツを工夫することで、参加者と対面でコミュニケーションを取ることができます。イベントでのプレゼンテーションによるセッション時間とは別に、参加者の顧客ニーズを把握できるチャンスが生まれます。
また、実際に当日会ってコミュニケーションを取ることができているので、その後のフォローアップでのコンタクトが容易になったり、商談化に繋がりやすくなる傾向があり、エンゲージメントを高めることに役立ちます。さらに、直接参加者の声を把握できるため、マーケティング活動を検討するひとつの材料にもなります。
オンラインイベントでのリード獲得につなげられる
参加者の都合や、リアルイベントの開催地が遠いことを理由にリアルイベントには参加できない方へ、場所の制限なくイベントへのリーチが可能です。リアルイベントのみだと、会場のキャパシティーに制限がありますが、ハイブリッドイベントにすることで、オンラインからの参加者人数を制限する必要がなくなり、リードの取りこぼしを防ぐことや、新規リードの獲得ができます。
また、オンラインイベントでの配信形式は、①ライブ型、②後日配信型(疑似ライブ)、③オンデマンド型と3種類の形式で発信することができ、目的に合わせて実施することで、更なるリード獲得が期待できます。資料ダウンロードやWEBアンケートなど、オンライン上で次のアクションにつなげるための施策展開の工夫も可能です。
ハイブリッドイベントで失敗しない5つのポイント
ハイブリッドイベントは、顧客のエンゲージメント向上やリード獲得が期待できたりと、一見よいことだらけで実施のメリットがあるように見えますが、落とし穴があります。ハイブリッドイベントを開催するにあたって、リアルとオンラインのどちらも設計、集客、運営をしないといけないため、予算や工数はその分2倍になります。ここからは、実際に弊社が実施をしたハイブリッドイベントより、失敗しないためのポイントを5つ紹介します。
① 実施目的の明確化
ハイブリッドイベントの準備を進めていると、企画案の作成から、会場での運営方法やオンライン配信の準備など事前準備に追われて、イベントを開催することが目的になってしまいがちです。そのため、本来なぜハイブリッドイベントで開催するのか、本来の目的が二の次になってしまうことがあります。イベントを開催する目的を見失わないように、目的を明確にしてから準備を進めるようにしましょう。
② リアルイベント、オンラインイベントそれぞれの参加者の体験設計を考える
ハイブリッドイベントでは、リアル、オンライン、それぞれの参加者に対し、目的に合わせて、参加者にどんな体験を提供したいのか具体化させながら企画案を練ることが重要です。それぞれの体験設計が疎かになってしまうと、ハイブリッドイベント開催の効果が薄れてしまうと考えます。効果的なハイブリッドイベントを実施できるように、リアルでの参加者の体験設計、オンラインでの参加者の体験設計をそれぞれしっかり分けて考えましょう。
③ 費用対効果を考えて目標値を立てる
イベント実施の目的、ハイブリッドイベントにする場合のリアル、オフラインでのそれぞれの参加者の体験設計を考えたら、予算や人的リソースと合わせて企画を考えます。この章の冒頭で、ハイブリッドイベントでは予算や工数が約2倍になることをお伝えしました。予算から逆算し、目的に対しての定量的な目標値を算出し、適切なリソース配分になっているかを検討し、企画をより具体化させましょう。
④ 集客も2倍になることを忘れない
ハイブリッドイベントはリアルとオンライン、それぞれに集客が必要となります。リアルで空席が目立つような状態にはできない、とリアルの集客に力を入れすぎてしまい、オンラインの集客が十分に担保できなかったとならないように、集客に関する計画も、リアルとオンライン両面から設計しておくことが重要です。
⑤ 当日の運営体制やリハーサルも2倍になることを忘れない
ハイブリッドイベントに限らず、全てのイベントにおいて会期当日のトラブルへの予防と対処は大切です。特に、ハイブリッドイベントでは、リアルとオンラインのそれぞれで当日の運営体制やリスク管理を事前に確認しておく必要があります。当日のリハーサルという観点でも、リアルとオンラインの両方で必要となります。リハーサルの時間が短く、すべての工程を事前確認しきれなかった、他のトラブル対応で時間が押してしまって満足にリハーサルができなかったとならないように、リハーサルの時間は十二分にとっておくことをおすすめします。
まとめ
いかがでしょうか?ハイブリッドイベントはリアルとオンラインそれぞれのメリットを最大限発揮できる反面、落とし穴が存在します。5つのポイントを考えながらハイブリッドイベントに備え、参加者に目的のあった体験を提供しましょう。
ITコミュニケーションズでは、ハイブリッドイベントの実施に向けたサポートをしています。少数開催であっても準備することがたくさんあるハイブリッドイベント。開催に向けて、心配な点のある場合は、是非、ITコミュニケーションズにお声がけください。
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