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株式会社ダイヤモンド社

ビジネスメディアを深掘る!広告価値を、メディアと広告代理店が本音で語る〜Vol.03 『ダイヤモンド・オンライン』〜

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インターネットメディアの台頭と多様化、企業の広告予算のインターネットシフトによって、事業モデルの変革に迫られているビジネスメディア。雑誌の休刊が相次ぐなか、オンライン版の会員化や有料コンテンツに注力し、広告メニューを刷新する動きも起きています。

「広告の出稿先」としてビジネスメディアを捉えた時、広告主様は何を判断材料に媒体を選定すればいいのでしょうか。日本を代表するビジネスメディアに、自メディアの特徴や強み、今後の展望について話を聞きました。

Vol.03となる本稿では、株式会社ダイヤモンド社でサブスクリプション事業や広告事業に携わる高見様にご登場いただきました。合同会社デフサン吉村様をファシリテーターにお迎えし、当社松岡と行った鼎談の模様をお届けします。

2025年に大幅リニューアルする『週刊ダイヤモンド』

吉村康(以下、吉村) ビジネスメディアとITコミュニケーションズ(ITC)の鼎談企画、3社目となる今回はダイヤモンド社様です。本日はよろしくお願いいたします。

松岡秀昌(以下、松岡) 本日はお時間をいただきありがとうございます。ITCは、日本経済広告社から分社した総合広告代理店です。主にBtoBかつIT系の広告主様に、デジタルマーケティング領域におけるリードジェネレーション、リードナーチャリング等の支援を中心としているため、ビジネスメディアとの連携は十分に取れていない状況です。

だからこそビジネスメディアが何を考え、どんな未来を描いて媒体を運営しておられるのかを知り、広告主の皆様により深い情報をお届けできたらと考え、今回の鼎談を企画させていただきました。

この鼎談を通じて、広告主のビジネスを拡大するためにメディアと広告代理店はどんな連携をすべきか、考え直すきっかけになればと思っています。

吉村 まずは、今年予定されている『週刊ダイヤモンド』の誌面刷新についてお聞きします。すで昨年10月に発表されたのでご承知の方も多いと思いますが、『週刊ダイヤモンド』は20254月から内容を大幅にリニューアルされるそうですね。具体的に何が、どのように変わるのでしょうか?

_13A8095 (1)株式会社ダイヤモンド社 メディア局 メディア戦略企画部 兼 オーディエンス開発部 部長 広告代理店勤務を経て、2007年Yahoo! JAPAN入社。広告事業部門にて、ディスプレイ広告の営業に従事。2012年からは広告プロダクトの商品企画・販売促進・事業戦略を担当。2017年ダイヤモンド社入社。デジタル広告の事業企画・商品企画を推進。2019年にサブスクリプションサービス「ダイヤモンド・プレミアム」の立ち上げに携わり、現在はメディアを横断した事業企画・マーケティングを担当。

高見潤(以下、高見) 当社が発行する『週刊ダイヤモンド』は、2025年で創刊112周年の歴史を誇るビジネス経済誌です。31年連続で市販売り上げナンバーワン(日本ABC協会 公査レポート調べ)を記録しており、「書店で最も売れているビジネス経済誌」として、多くのビジネスパーソンの皆さまにご愛読いただいています。

吉村 書店のビジネスコーナーの棚や平積みの中で目立つ存在ですよね。毎週、興味深い特集記事のタイトルが目に飛び込んできます。

高見 その一方、『週刊ダイヤモンド』は、定期購読でご愛読いただいている方も相当な数に上ります。当社は、20196月に経済メディアとしていち早く、デジタルのサブスクリプション(継続課金)サービス『ダイヤモンド・プレミアム』を開始していますが、そのサブスク会員数と雑誌『週刊ダイヤモンド』の定期購読者数を合わせると、有料読者全体の約8割を占めるまでになりました。

松岡 逆に言うと、書店で『週刊ダイヤモンド』を買っている読者は、全体の2割程度にすぎないわけですね。市販で売り上げナンバーワンの雑誌ではあるけれど、定期購読とデジタル媒体のサブスクを合わせた有料読者数は、その5倍に上るという計算ですか。

高見 おっしゃるとおりです。そこで20254月のリニューアルでは定期購読者への訴求力を高めるため、編集コンテンツの内容をよりフォーカスしていきます。

具体的には、業界別、テーマ別で、ほかの経済メディアでは得られない“企業・産業の深掘り情報”を、継続的かつ満遍なく発信するメディアに生まれ変わります。

「ダイヤモンドID」を全社統合、オン情報とオフ情報もひとつに

_13A8650合同会社デフサン 代表兼CEO 大学卒業後、東洋経済新報社へ入社。法人営業部門、新規事業開発のチームリーダーを経てコーポレートコミュニケーション部長に。局次長兼メディア(広告)営業部長を6年間務めた後、マネジメントソリューションズへ転職、ブランドマーケティング部長に就任。メディアの世界で、広告を提案営業する側と宣伝広告を出す側の両方を経験。現在は独立し、多くのビジネスメディアの広告事業を支援している。

吉村 これまでの“特集主義”から脱却するということですか?

高見 そう言い切って、いいかもしれません。じつは、市販の雑誌の売れ行きは特集記事の内容によって大きく変わります。そのため、投資や教育、ライフスタイル、相続など、大衆向けのテーマを特集することも必要でした。

しかし、ビジネスパーソンの関心領域である“企業・産業の深掘り情報”をコンスタントにお届けできるようにするためには、いったん“これまでの特集主義”から距離を置いてみるべきではないかと考えました。『週刊ダイヤモンド』のリニューアルは30年ぶりですが、ここまで編集方針を変えるのは、かつてないほどの大改革だと言えます。

リニューアルを機に、雑誌名も『週刊ダイヤモンド』から『ダイヤモンドウイークリー』に刷新します。

松岡 当社が主に支援しているBtoBかつIT系の広告主様は、雑誌だけでなく、オンラインメディアへのご出稿が多いのが特徴です。貴社のオンラインメディアである『ダイヤモンド・オンライン』は、どのような媒体でしょうか。

高見 『ダイヤモンド・オンライン』は、経営者やマネジャーなどの意思決定層をメインターゲットとするビジネス情報オンラインメディアです。月間ユーザー数は2,500万~2,700万人。無料会員は111万人、有料サービスである『ダイヤモンド・プレミアム』の会員登録者は4.3万人に上ります。

吉村 『ダイヤモンド・オンライン』も、今年から新たなプロジェクトがあるとうかがっています。

高見 20253月から、会員がコンテンツを利用するためのアカウントである「ID」を、全社統合の「ダイヤモンドID」に変更します。

当社は『ダイヤモンド・オンライン』以外にも、よりアカデミックなビジネス情報を提供する『DHBR電子版』(ダイヤモンド・ハーバード・ビジネス・レビュー電子版)や、マネー情報メディアの『ザイ・オンライン』など、さまざまなオンラインメディアを運営しています。従来、これらのメディアの利用には別々のID登録が必要でしたが、3月以降は、1つの「ダイヤモンドID」ですべてが利用できるようになります。

すべてのメディアのIDを統合することで、読者の属性や興味・関心のあるコンテンツに応じて、別のメディアへと誘導することも可能になります。

先ほど、『週刊ダイヤモンド』の編集コンテンツを業種別、テーマ別に“深掘り情報”を発信し続けるスタイルに変更すると説明しましたが、『ダイヤモンド・オンライン』はそのスタイルを以前から採用しています。今後は読者の関心に応じて、「経営に関するもっと深い情報を知ってもらいたい」と思うのなら『DHBR電子版』、「金融関連の記事をよく見ているけど、個人としての資産運用にも関心がありそうだ」と思うのなら『ザイ・オンライン』といったように、別のメディアをレコメンドすることを構想しています。

属性や興味・関心のあるコンテンツに応じて、より深い情報へと誘ったり、オンとオフの垣根を越えた情報を提供できたりするようになります。

3つのサービスをパッケージした広告商品を提供

_13A8496株式会社ITコミュニケーションズ 第一ビジネスユニット 兼 マーケティングユニット 部長 BtoBマーケティング一筋10年。セールス兼マーケティング部の長として、営業組織とマーケティング部を統括。外資系ITクライアントで培ったフルファネルマーケティングのノウハウを活かし、様々な業界への支援を展開。特にBtoB領域におけるマーケティング支援では、戦略策定から、認知拡大、リード獲得、イベント企画・運営、メール・コンテンツマーケティングにおける制作、インサイドセールス支援、MA/CRMツールの活用等、幅広く対応している。

松岡 タイアップ広告などのターゲティング広告にも有効な仕組みと言えそうですね。

雑誌、オンラインを同時にリニューアルされるわけですが、広告メニューも変更されるのでしょうか。

高見 新たに3つのサービスをパッケージした広告商品を提供する予定です。1つは、雑誌(週刊ダイヤモンド)とオンライン(ダイヤモンド・オンライン)を連動させた広告企画2つ目は、アクティブな特集閲覧ユーザーを対象とするターゲティング広告の配信。3つ目は、掲載・配信した広告に対して、どのような反響や効果があったのかを分析する定性的なレポート(サーベイ)の提供です。

1つ目に関しては、雑誌、オンラインのどちらも業種別、テーマ別の切り口による編集に一本化したことで、広告企画を連動させやすくなりました。

2つ目は、“ビジネスモーメントを持つユーザー”を対象にターゲティング広告を配信できる点が大きな特徴です。通常のターゲティング広告では、役職や年齢などの属性で対象を絞り込みますが、われわれは、どんな特集をアクティブに閲覧しているのかを見ることで“ビジネスモーメントを持つユーザー”をあぶり出し、より効果的に広告を配信することができます。

松岡 特定のテーマに強い関心を持つ読者に、より高い確度でリーチできるというのは広告主様にとって非常にありがたいですね。しかも、その効果が客観的なデータとしてフィードバックされるのであれば、広告戦略の継続的なブラッシュアップに役立つはずです。

最後になりますが、メディアとしてわれわれ広告会社に期待すること、一緒に取り組んでいきたいことがあれば教えてください。

高見 ネット広告が氾濫する中で、ユーザーに対して必要もないのに送り付けられたり、信ぴょう性が疑わしかったりする広告はどんどん敬遠されるようになっています。一方、広告主様にとっても、プラットフォーマーやアドエクスチェンジの普及などによって、好ましくない媒体に自社の広告が掲載されるリスクが高まっています。

読者と広告主様、それぞれの不満や不安を解消するために、われわれとしてはコンテンツを自前で作っているメディアの価値をもっと伝えていきたいと思っています。

具体的には、多くの読者に信頼をいただいているダイヤモンド社ならではのスタンスを貫きながら、読者と広告主様の双方にご満足いただけるタイアップ広告を制作していきたい。広告主様も気付かなかったような製品・サービスのインサイト価値をわれわれが発見し、当社なりの切り口で情報発信していくことが、読者の信頼に繋がるのではないかと思っています。

そのためには、広告主様が製品・サービスのプロモーションに関して本質的にどんな課題や展望を感じているのかを、広告会社の皆さまにはぜひ教えていただきたいと思います。広告主様に近い広告会社と、読者に近いわれわれが手を携えることで、よりよりソリューションが提案できるようになるのではないでしょうか。

吉村 広告に対する信頼回復と、広告効果の増大のためには、両者の連携がますます重要になってくるということですね。本日はありがとうございました。

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高見 潤(タカミ ジュン)様
株式会社ダイヤモンド社
メディア局 メディア戦略企画部 兼 オーディエンス開発部 部長

広告代理店勤務を経て、2007年Yahoo! JAPAN入社。広告事業部門にて、ディスプレイ広告の営業に従事。2012年からは広告プロダクトの商品企画・販売促進・事業戦略を担当。2017年ダイヤモンド社入社。デジタル広告の事業企画・商品企画を推進。2019年にサブスクリプションサービス「ダイヤモンド・プレミアム」の立ち上げに携わり、現在はメディアを横断した事業企画・マーケティングを担当。

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吉村 康(ヨシムラ ヤスシ)様
合同会社デフサン
代表兼CEO

大学卒業後、東洋経済新報社へ入社。法人営業部門、新規事業開発のチームリーダーを経てコーポレートコミュニケーション部長に。局次長兼メディア(広告)営業部長を6年間務めた後、マネジメントソリューションズへ転職、ブランドマーケティング部長に就任。メディアの世界で、広告を提案営業する側と宣伝広告を出す側の両方を経験。現在は独立し、多くのビジネスメディアの広告事業を支援している。

_13A8496-1松岡 秀昌(マツオカ ヒデアキ)
株式会社ITコミュニケーションズ
第一ビジネスユニット 兼 マーケティングユニット 部長

BtoBマーケティング一筋10年。セールス兼マーケティング部の長として、営業組織とマーケティング部を統括。外資系ITクライアントで培ったフルファネルマーケティングのノウハウを活かし、様々な業界への支援を展開。特にBtoB領域におけるマーケティング支援では、戦略策定から、認知拡大、リード獲得、イベント企画・運営、メール・コンテンツマーケティングにおける制作、インサイドセールス支援、MA/CRMツールの活用等、幅広く対応している。

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