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データ分析/活用

データドリブンマーケティングに必要なこと

MARKETER'S NOTE

企業が最適なマーケティング施策を講じていくために役立つデータドリブンについて解説した記事です。その手法を採用するメリットや取り組みの事前準備、施策の手順、よくある課題とその対処法について紹介します。データ活用を取り入れたデジタルマーケティングに興味のある方はぜひ参考にしてください。

データ活用を阻む要因から理解する<br>データ活用に失敗しないためのポイント

データ活用を阻む要因から理解する
データ活用に失敗しないためのポイント

データを活用しても様々な阻害要因によって成果に結びつかない企業が多いのが現状です。本資料では、そんなデータ活用に失敗しないためのポイントをご紹介します。

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データドリブンマーケティングの目的

まずビジネスにおいてのデータドリブンとは、データに基づいて意思決定を行うことを指します。特にデータドリブンマーケティングと言った場合は、「データに基づいた方法で顧客に価値提供を行う活動」です。本手法は『データ・ドリブン・マーケティング 最低限知っておくべき15の指標』という書籍にもまとめられており、大手通販サイトのAmazon.com創始者ジェフ・ベゾスの愛読書としても知られています。つまり、世界的企業が活用するマーケティング手法だということです。

現代は市場の変化が激しく、今軌道に乗っているビジネスがある日を境に頓挫したり、低迷したりする可能性が常にあります。そんな時代だからこそ、経験や勘に頼る従来のやり方ではない、確かなデータに基づいた経営が生き残りのために求められているのです。また、昔と違ってインターネットが普及し、Webツールなどからデータを取る手段が大幅に増えたことも関係しています。

具体的な手法を簡単に説明すると、まずアンケートやSNS、Webフォームなどから収集した数値や意見のデータをビジネスで活用できる形に加工・可視化します。それに基づいて分析を行い、そして分析結果は、マーケティングの改善施策へと反映していきます。
このような、勘や経験に頼らないデータに基づいたマーケティングは、顧客の行動をより明確に見える化でき、企業が最適な施策を展開していくことに役立ちます。

データドリブンマーケティングのメリット

まずメリットとして挙げられるのが、データに基づく判断ができるため、無駄なマーケティング施策を打ってしまうのを防げることです。消費者の好みの多様化が進んだ現代では、購入する際にオンラインとオフラインを横断しながら購買が行われています。
このように現代では、消費者が購入を決めるまでのプロセスは複雑になったため、その行動を予測することも非常に困難になっていると言えるでしょう。勘や経験では判断しきれない要素が増えてきており、成果を出すには集積したデータによる判断が欠かせないのです。データドリブンマーケティングでは、実際の数値や顧客行動パターンなどのデータを参考にして施策を考えるため、こうした状況に対応していけるのです。

ほかにはマーケティングの費用面についても、メリットが生じます。従来のマーケティングは、施策を実際に打ってから、その結果を受けて改善点を見つけ、再び試すという手順が踏まれました。データドリブンでは、まず蓄積しているデータを分析した結果に基づき、高い効果の見込める施策をあらかじめ立案できるのです。これにより、従来よりも少ないコストで確実な成果が得られるようになっていきます。

このようにメリットの多いデータドリブンマーケティングを実行に移していくには、経営者の理解も必須です。「データに基づく判断が企業経営においてどれぐらい重要な意味を持つのか」と言う点に理解を得られないまま進めても、施策を円滑に実行するのは困難でしょう。そのため、場合によっては資料などを用意して、上層部を説得する必要が出てきます。

データドリブンマーケティング実行のための事前準備

データドリブンを実施していくには、これまでのやり方を見直して意思決定の仕組みを刷新していく必要があります。ときには部署を跨いで連携するような施策や、部署ごとのデータを統合する必要も出てくるでしょう。余計な混乱や反発を招かないためにも、なるべく経営陣が率先して体制を変えていく状況にするのが望ましいでしょう。そのためには、最終的な意思決定を行う経営層の理解が欠かせません。
もしすでに経営層の理解が十分に得られている状態であれば、トップダウン方式で積極的に実施していくことを社内に周知し、組織全体に考えを浸透させておきます。

そして、もう一つ重要なのは、データを有効な形で可視化しておくことです。蓄積した生のデータは、未加工のままではただ数字が並んでいるだけといっても過言ではありません。過去の数値と比べてどんな数値が増えたのか減ったのか、ほかのデータと比較してどんな違いが生じているのかなど、分析や加工を施したあとに初めてデータに意味を見出せるのです。

こうしたデータの加工・分析作業は、データ処理やデータベースに詳しい人材がいると効率的に処理しやすいでしょう。自社にデータを扱える人材がいない場合は、データアナリストを採用したり、外部パートナーを探したりすることもおすすめです。

データドリブンマーケティングの実施手順

続いては、データを集めてから施策に反映させていくまでの具体的な手順について紹介します。

1.目的を定める

データドリブンは集めたデータを活用して施策の実行、改善を行っていくことです。それには「何のために分析するのか」という目的を明確にしておく必要があります。目的が曖昧なままだと目標達成と関係のないことをしたり、部分最適化だけを行ってしまったりして、無駄な労力とコストがかかる可能性があるからです。設定した目標と必要な手段が適切か常に意識して仕事を進めていきましょう。

目的を明確にする際はKPIツリーが役立ちます。KPIツリーとは、「ビジネス上の最終目標の達成度合いを評価するために使う物差し」です。具体的には「最終目標(KGI)」「KGI達成に必要なプロセスの達成度を測る中間指標(KPI)」「必要な施策」3つを、ツリー構造状に紐づけて業務上で活用します。
このツリーによって、最終目標達成のためにやるべき施策や中間指標の達成度合いがひと目でわかるようになります。目的意識が大事なデータドリブンマーケティングとセットで活用すると相性がよいでしょう。今日では、「データドリブンにKPIツリーは必須」という思想を持つ企業も少なくありません。データ収集を行う前にぜひKPIツリーを設計し、目標達成のためにどんなデータが必要なのかを明確にしておきましょう。

2.データの収集

目的を明確にしたら、必要なデータの抽出・分類・整理を行っていきます。必要になるデータは達成したい目的によって異なるでしょう。例えば「顧客情報・購買記録」をはじめ「検索流入・広告流入・直接流入・SNSからの流入」などさまざまなデータが対象となるでしょう。ウェブサイトに関するデータはGoogleアナリティクスなどの解析ツールを使えば簡単に収集できます。

必要なときに分析を実行できるよう、データ収集の仕組みを整えておくことが大切です。データの種類によっては、同じ社内にあるのに担当者がアクセスできない場合も出てきます。データをひと目で見渡せるダッシュボードを用意したり、社内外の人に報告する用のレポートを作成したりする必要があるでしょう。

3.データの加工と整理

あらゆる判断を分析された情報に基づいて行っていくため、データ分析自体を常に積極的に進めていく必要があります。場合によっては外部の分析サービスを利用することも有効です。
集めたいデータによっては、アンケートや問い合わせのログなどを参照する必要も出てきますので、時間に余裕をもって臨みましょう。また、大量のデータを加工するには時間がかかるため、BIツールや解析ツールなどを導入して時短していくことも大切です。データを収集するための仕組みを社内全体に構築し整えていくようにしましょう。

そして何より大切なことが、集めたデータから最終的にどういう結果を得たいのか、何のためにデータを分析するのか、その目的意識をしっかり持って取り組むことです。「自社はどんなデータをどのように活かしたいか」という点がはっきりしないまま、ただデータを比較したところで何も意味はありません。「得たい結果をイメージし、それを導出するために分析を進める」という基本発想を忘れないようにしましょう。

4.データの分析・解析

得られたデータの見極めや加工が終わったら、分析・解析のフェーズに移ります。分析結果から、現状の問題点を発見し、それに対する改善案を施策に反映させていくステップです。

問題点の発見と改善を実際に行うには、データ解析や統計の知識はもちろん、マーケティング、市場分析、コンテンツメイキングなどさまざまなスキルが要求されます。そのため、各分野に精通した担当者と定期的に意見交換を行いながら、マーケティング施策を練っていくとよいでしょう。

5.アクションの施策と実行。その後の改善

データドリブンは施策を実行したらそれで終わりではありません。施策を実行したあとは必ず効果検証を行い、改善行動に変えていくことが大切なのです。

KPIツリーに定めた指標を意識しながらPDCAサイクルを回し、成果が得られるまで改善し続けることが成功のコツと言えます。データから結論を導き出したり、判断を下したりする作業はさまざまな分野を跨ぐ知識が求められます。効果的なアクションプランを考え出し、実行していくためにも、データ活用の高度な専門スキルを持ったデータサイエンティストやアナリストといった人材の採用・育成は常に視野に入れておきましょう。

データドリブンマーケティングの課題と対処法

最後は、よくある失敗や発生しやすい課題の例を挙げ、その対処法について説明していきます。

まず発生しやすい課題は、一貫性した目的に沿って有効にデータを扱えない、というものです。例えば、「組織全体に特定のデータの重要性が伝わりきっておらず、その可視化が難航する」というケースがあります。この場合は、社内で該当データの意味を周知し続けるしかありません。
ほかにも、「データ分析の結果が、施策へ反映されるまで時間がかかる」というケースもあります。その場合は、まず先に自社の課題から考えてみてください。課題から仮説を立てて、どんなデータを抽出すれば、立てた仮説を証明できるかという手順を踏むと、抽出すべきデータを絞り込みやすいでしょう。

「分析結果がそもそも施策反映までつながらない・意思決定まで至らない」「担当者がツールの活用方法がわからない」というケースもよくあります。膨大なデータと高機能なツールがあっても使いこなせる人材がいなければ、このように意味をなしません。この課題を解決するには、実際に作業できるスキルを備えた人材を確保すること、または、外部パートナーに依頼するという手段が挙げられます。

まとめ

データドリブンマーケティングを実行していくためには、目標達成に必要なデータ収集を行い、データを活用しやすい形に加工・可視化します。そして、マーケティング施策や計画に反映させていき、実際にやってみて効果を測定するという流れで行います。成果が得られるまでPDCAサイクルを回して改善を続けるのが成功のポイントです。データ分析ツールの導入で作業負担を減らすのもよいでしょう。

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データ活用を阻む要因から理解するデータ活用に失敗しないためのポイント

データの活用は、顧客満足度の向上や意思決定の迅速化・正当化などの企業の 売上・利益に貢献する様々な効果があります。

本資料では、そんなデータ活用のポイントをご紹介します。

データ活用を阻む要因から理解するデータ活用に失敗しないためのポイント

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