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ビジネスメディアを深掘る!広告価値を、メディアと広告代理店が本音で語る〜Vol.10 SBクリエイティブ〜

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インターネットメディアの台頭と多様化、企業の広告予算のインターネットシフトによって、事業モデルの変革に迫られているビジネスメディア。オンライン版の会員化や有料コンテンツに注力し、広告メニューを刷新する動きも起きています。

「広告の出稿先」としてビジネスメディアを捉えた時、広告主は何を判断材料に媒体を選定すればいいのでしょうか。日本を代表するビジネスメディアに、自メディアの特徴や強み、今後の展望について話を聞きました。

Vol.10となる本稿では、SBクリエイティブ BIT事業本部 ビジネス+IT編集長の松尾 慎司様、営業部 部長の原島 望様に登場いただきました。デフサン代表の吉村様をファシリテーターにお迎えし、当社松岡と行った座談会の模様をお届けします。

ソフトバンクの祖業のIT出版と、時代に適応し進化し続けるDNA

吉村 ビジネスメディアとITコミュニケーションズ(ITC)の鼎談企画、10社目となる今回はSBクリエイティブ様です。本日はよろしくお願いします。まずはITCの松岡さんから、今回の座談会の趣旨についてご説明をお願いします。

松岡 ITCは日本経済広告社グループに所属し、主にIT関連の広告主様に、さまざまなメディアへのご出稿を提案している広告代理店です。ビジネス誌やビジネスパーソン向けの情報サイトもそうした媒体メニューに含まれていますが、他の媒体との違いや、各ビジネスメディアの特徴、出稿のメリットについて、もっと詳しく知りたいという声を、広告主のお客さまからよくいただきます。

そこで、日本を代表するビジネスメディアの皆さまに、自社媒体の編集方針や広告媒体としての魅力などを語っていただく場として、この連載を企画しました。

お2人は、SBクリエイティブの主力媒体である『ビジネス+IT』の編集と営業のトップを務めておられますので、まずは会社と媒体について簡単にご紹介いただけますか?

原島 当社は、ソフトバンクの出版事業が分社化する形で1999年に設立されました。IT関連出版はソフトバンクの祖業の1つで、孫正義が海外のIT最新動向を収集・発信するため、ソフトバンクを創業した翌年の1982年に事業を開始しています。ルーツを辿ると、40年以上の歴史を歩んできたことになります。

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SBクリエイティブ株式会社 BIT事業本部 営業部 部長 原島 望様

松尾 現在は、書籍やイベント配布用のフリーマガジンを除き、紙媒体は発行していません。2005年にオンラインメディア『ビジネス+IT』を立ち上げて以降、金融業界向けの『Fintech Journal』、製造業向けの『Seizo Trend』と、業界別の専門オンラインメディアも展開しています。

創刊当初は、経営層や情報システム部門の方々が主な読者でしたが、この20年でデジタルやAIがビジネスのあらゆる領域に浸透したことで、現在では全職種のビジネスパーソンに向けたメディアへと進化しました。

ITやデジタルを活用し、社会課題や経営課題の解決を目指す経営者やビジネスパーソンにとって、実務に役立つ情報を提供することが私たちの使命です。 

なぜ、「PVを追わず」「会員登録のハードルを上げた」のか?

吉村 ビジネスやITをテーマとするオンラインメディアはほかにもありますが、『ビジネス+IT』には、それらとは一線を画すユニークな特徴があるそうですね。

松尾 最大の違いは、PV(ページビュー)を最大化することを目的とせず、広告主のBtoBマーケティングを成功させることを最優先に設計してきた点です。

つまり、「多くの人に読まれること」よりも、「誰に、どのように読まれ、それが成果につながるか」を重視してきたのです。創刊の段階から、メディアを介してB2Bの意思決定と商談を後押しし、企業の課題解決に貢献する存在を目指してきました。

vol10_2SBクリエイティブ株式会社 BIT事業本部 ビジネス+IT編集長 松尾 慎司様

松岡 その思想は、どのような仕組みに反映されているのでしょうか。

松尾 『ビジネス+IT』の記事や広告は無料で読むことができますが、閲覧するには所属企業の業種、売上高、従業員数、職種、職位、裁量権など、13項目にわたる属性情報を入力する会員登録が必要です。

創刊当初は読者や関係者から、「無料の記事を提供するのに、なぜ会員登録をさせるのか?」「登録がハードルとなって、PVが伸びないのではないか?」と言われたものですが、広告主のBtoBマーケティングを成功させるメディアとして、読者の詳細なターゲット像を把握することは不可欠だと考えました。

原島 この考え方は、プロモーションメニューにも一貫して反映されています。

当社は業界に先駆けて、セミナーの登録数保証型プロモーションを開始、現在では年間1,000件のセミナー、800件のリード獲得施策をすべてコンバージョン数保証型で実施しています。

当時の広告プロモーションは、年齢・性別・興味関心といった限られたデータでターゲットを定義し、PV数やClick数を成果指標とするものが主流でした。

しかし私たちは、「年商500億円以上の大手企業の部長職を100名集めたい」「ABM(アカウントベースドマーケティング)で狙った企業のキーパーソンを1,000件獲得したい」という広告主のニーズにコミットし、商談につながるセールスリードの獲得を保証し続けてきました。

オンラインメディアでありながら、リアルを重視する理由

松岡 オンラインメディアでありながら、リアルイベントにも非常に力を入れているのも珍しいですね。

原島 それも、広告主のBtoBマーケティングを成功させることを主眼に置くメディアだからこそのこだわりです。

現在、年間40本以上の展示会に出展し、IT導入に意欲的な層をリアルで獲得しています。コロナ禍を経てデジタル接点が急速に拡大する一方、2025年に入って展示会やリアルセミナーは完全に復活しました。

現在では、デジタルで情報収集・比較を行い、リアルの場で理解と確信を深める、いわば「Digital × Physical Loop」が、ITDM(IT意思決定者)の購買行動の標準になっています。

弊社が国内のITDMを対象に行った調査では、特に経営者や役員、部長職といったマネジメント層ほど、リアルな場での情報収集を重視する傾向が強いことが分かっています。

もちろん、オンラインセミナーの集客支援も多数行っていますが、私たちは常に、ターゲットの行動特性に合わせて、最も効果が高い接点を設計することを重視しています。 

Business plus IT1ビジネス+ITの調査で判明した、国内ITDMの関心と購買行動の変化 

「情報の非対称性」をなくすことが、BtoBメディアの価値になる

吉村 なるほど。松尾編集長にうかがいますが、『ビジネス+IT』は「情報の非対称性をなくす」という編集方針を掲げておられます。その狙いはどこにあるのでしょうか。

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合同会社デフサン 代表兼CEO 吉村 康様

松尾 われわれはBtoB向けのメディアです。BtoCの情報はSNSなどにもあふれ返っている今、発信者と読み手の情報格差はそれほどありません。

しかし、BtoBに関しては、発信者が持っている情報の量や質が、読み手のそれを圧倒的に上回っていることが多く、今後も残り続けていくと考えています。これでは正しい理解や意思決定の妨げになってしまうことが珍しくないのです。

松岡 そうした姿勢も、メディアに対する読者の信頼を高め、広告主が良質なリードを獲得できることに繋がるのでしょうね。

松尾 そのように自負しています。『ビジネス+IT』は、編集コンテンツづくりにおいて「創造性と信頼性」を非常に大切にしています。ここでいう創造性とは、わかりやすく、伝わりやすいコンテンツを提供する力のこと。

専門性が高い情報はハイコンテクストであったり、理解に必要な情報が多かったりするため、そのまま伝えてもなかなか伝わらないことがあります。信頼性は、言うまでもなく、コンテンツやメディアそのものの生命線です。

当社は長く紙の出版を行っているので、他のオンラインメディアより厳格なファクトチェックを実践する土壌があります。それが『ビジネス+IT』の編集コンテンツに対する信頼に繋がり、広告主や読者の皆さんに選ばれる理由になっていると思います。

「リードは取れるのに、成果が出ない」──BtoBマーケティングの新たな壁

吉村 広告主のBtoBマーケティングを成功させるメディアとして、サービスを継続的に進化させているとうかがっています。その背景には、どのような課題意識があるのでしょうか。

原島 BtoBマーケティングの世界は、この20年で大きく様変わりしました。かつては、テレビ・新聞・雑誌といったマス広告によるブランディングが主流でしたが、デジタル広告市場の拡大とともに、特にIT業界ではリード獲得型プロモーションが急速に普及しました。

その一方で、各社がリード獲得に注力するあまり、「年々高まるリード獲得KPIを達成できない」「リードは獲得できても、商談につながらない」といった課題が、より顕在化してきました。

松岡 確かに、弊社のお客様からも同じような声をよく耳にします。

原島 先日も外資系大手IT企業のCMOと話す機会があったのですが、「BtoBマーケティングにおいて、リードジェネレーションだけを続けていても必ず行き詰まる」とおっしゃっていました。

市場での認知や信頼の獲得(ブランディング)、獲得したリードの育成(ナーチャリング)、そして選別(クオリフィケーション)を有機的に組み合わせていかなければ、成果は出ないという認識が、グローバルでも共通して広がっていると感じています。 

Business plus IT➁なぜ成果が出ないのか?国内ITDM特有の購買行動とB2Bマーケティングの壁 

吉村 そうした課題に対して、ビジネス+ITではどのような解決策を提供しているのでしょうか。

原島 これまでビジネス+ITは、獲得数保証型のリードジェネレーションを最も得意とするメディアでした。ただ、現在はその強みを軸に、ブランディング・エンゲージメント・商談化までを一気通貫で支援できる施策へと進化しています。

具体的には、新たに以下のサービスを展開しています。

・国内トップクラスのアクセスを誇る Yahoo!ニュースへのタイアップ記事転載プラン

・国内主要メディアへのDSP配信を通じABMターゲティングを実現する Taboola配信プラン

・複雑な商材を分かりやすく伝え、態度変容を促すBtoB特化の動画ブランディング

・大手企業のCxO・部長層と直接対話できるエグゼクティブラウンドテーブル

中でもYahoo!ニュースへの転載プランは想定以上の反響があり、開始から約1年半で、すでに20社以上の広告主にご利用いただいています。

松岡 どんな効果が期待できるのでしょうか?

Vol10_4株式会社ITコミュニケーションズ 執行役員 ビジネスデザイン本部 本部長 松岡 秀昌

原島 一般記事が多く並ぶYahoo!ニュース上に掲載されることで、これまで接点のなかった層にも記事が届き、企業や製品・サービスに対する認知や理解を高める効果が期待できます。

従来のBtoBマーケティングでは、「ホワイトペーパーを作ってもダウンロードされない」「リードは取れるのに、商談化率が上がらない」といった悩みをよく耳にします。

それは十分な理解や関心が醸成される前に、いきなり成果を求めてしまうことが原因だと考えています。

まずはブランディングで認知と理解の土台をつくり、エンゲージメントを高め、その上でリードジェン、パイプライン形成へと進む。こうした フルファネルで段階的に設計されたBtoBマーケティングのほうが、結果として確実に成果につながると考え、このようなサービスを開始しました。

また、ユーザーの興味関心に合わせて関連記事をレコメンドするTaboola(タブーラ)を活用したABMサービスでは、狙った企業・人物だけを記事へ誘導することが可能です。

さらに、エグゼクティブラウンドテーブルでは、意思決定層と少人数で直接対話する場を設けることで、理解の深化や信頼形成を促し、商談化に近い“質の高い接点”を創出しています。

Business plus IT➂日本のB2B市場に最適化された、ビジネス+ITのフルファネル支援

吉村 今後リリースする予定の新サービスはありますか?

原島 2026年の早い段階で、インテントデータを広告主にフィードバックする新サービスを開始する予定です。

当社は、会員の詳細な属性情報や記事へのアクセスデータを保有しているだけでなく、年間1,800件以上のプロモーションをすべて件数保証型で実施しています。

すべての案件において、原稿制作からLPO・EFO、CTR・CVR改善までを一貫して行い、読者やITDM(IT導入に関する意思決定者)がどのテーマに、どの段階で反応したのかを継続的に把握・蓄積しています。

こうしたデータを活用することで、獲得したリードの優先順位付けやアプローチ判断など、商談化を見据えた活用が可能になると考えています。

松尾 2026年には、動画を中核とした新たなメディアも立ち上げる予定です。これまで動画制作は外部パートナーと連携してきましたが、現在は動画制作スタッフを正社員として採用し、自社スタジオを内部に追加するなど、動画の編集・制作体制を本格的に強化しています。

これと同時に、1つの情報ソース(シングルソース)から、さまざまなコンテンツ(マルチコンテンツ)を制作する体制も強化しており、たとえば、対面のイベントの内容をもとに、テキストコンテンツや、音声コンテンツ、動画コンテンツをこれまで以上にスムーズに制作できるようになります。

これにより、読者とのタッチポイントに合わせた最適な形でのコンテンツ展開を容易にしていきます。ここで重要な役割を果たすのが生成AIです。生成AIがこれらのハブとなって従来では考えられない速度とコストでマルチユースを可能にすると考えており、どのメディアよりも多くの投資をしていく考えです。

吉村 最後に、どんなビジネスメディアを目指していきたいのかを聞かせてください。

原島 『ビジネス+IT』は、立ち上げ当初から広告主のBtoBマーケティングを成功させることを軸に、サービスの改善と進化を重ねてきました。

これからも、「広告主のゴールを、自分たちのゴールとして捉える」姿勢を大切にしながら、伴走型のメディアとして、お客さまの成功を支えていきたいと考えています。

松岡 「お客さまの成功のために」という想いは、広告代理店であるわれわれにも共通するところです。ぜひ今後も、一緒にBtoBマーケティングを盛り上げていきましょう。

vol10_2-1松尾 慎司 (マツオ シンジ)様
SBクリエイティブ株式会社
BIT事業本部 ビジネス+IT編集長

システムエンジニアを経て、出版社ソフトバンクパブリッシング(現SBクリエイティブ)に入社。『UNIX USER』編集部に所属後、準会員制オンラインメディア「ビジネス+IT」の立ち上げに携わる。ビジネスとITの融合点を10年以上にわたって取材。

vol10_1-1原島 望(ハラシマ ノゾム)様
SBクリエイティブ株式会社
BIT事業本部 営業部 部長

2003年 ソフトバンク メディア&マーケティング入社。ソフトバンク パブリッシング広告局にて、ゲーム・エンタメ・モバイル雑誌・オンラインメディアの広告営業に従事。PC・インターネット雑誌、エンタープライズ雑誌の担当を経て、オンラインメディア「ビジネス+IT」の立ち上げに携わる。年間1,800件のセミナー・リードジェネレーションの企画・集客に携わり、BtoBマーケティング、プロモーション支援を行っている。

vol10_3-1吉村 康(ヨシムラ ヤスシ)様
合同会社デフサン
代表兼CEO

大学卒業後、東洋経済新報社へ入社。法人営業部門、新規事業開発のチームリーダーを経てコーポレートコミュニケーション部長に。局次長兼メディア(広告)営業部長を6年間務めた後、マネジメントソリューションズへ転職、ブランドマーケティング部長に就任。メディアの世界で、広告を提案営業する側と宣伝広告を出す側の両方を経験。現在は独立し、多くのビジネスメディアの広告事業を支援している。

vol10_4-1松岡 秀昌(マツオカ ヒデアキ)
株式会社ITコミュニケーションズ
執行役員 ビジネスデザイン本部 本部長

BtoBマーケティング一筋10年。セールス兼マーケティング部の長として、営業組織とマーケティング部を統括。外資系ITクライアントで培ったフルファネルマーケティングのノウハウを活かし、様々な業界への支援を展開。特にBtoB領域におけるマーケティング支援では、戦略策定から、認知拡大、リード獲得、イベント企画・運営、メール・コンテンツマーケティングにおける制作、インサイドセールス支援、MA/CRMツールの活用等、幅広く対応している。