
株式会社ITコミュニケーションズ(所在地:東京都千代田区、代表取締役社長:加藤 浩志)は、「BIツール・データウェアハウスの購買行動調査2026」を実施し、その結果と考察をまとめた調査レポートを公開します。
売上向上や迅速な意思決定を目指し、多くの企業で導入・検討が進むBIツールやデータウェアハウス(DWH)。
しかし、現場(事業部門)で評価が高かったツールが最終稟議で否決されたり、経営陣の「データドリブン経営」の号令で始まった大型プロジェクトが失注したりするケースが後を絶ちません。
本調査では、BI・DWHの導入に関わった経営層および情報システム部門の担当者498名を対象に、情報収集チャネルや比較検討時の要件、要件定義・PoCでの壁、不採用理由や社内承認の障壁といった購買行動の実態を調査しました。
ITコミュニケーションズは、年間約4,000件のBtoBマーケティング支援実績を通じて培ったナレッジを活かし、ベンダーからは見えにくい「顧客の購買判断の裏側」を解き明かし、受注確度を高めるための実践的なマーケティング・営業戦略のヒントをご提供します。
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BIツール・データウェアハウスの購買行動調査2026
目的 :BIツール・データウェアハウスの購入者の実態から、マーケティング課題の解決に役立つヒントを提供する。
調査対象:BIツール・データウェアハウスの導入に関わった情報システム担当者(25~59歳)
調査期間:2026年8月28日(金)~ 9月4日(金)
調査方法:インターネットリサーチ
回答者数:498名

BI・DWHの導入・見直しを検討し始めた最大のきっかけは、「情報システム部門からの提案」が43.0%で最多。次いで「経営層からのトップダウン指示」が29.7%となり、両者で全体の72.7%を占めた。現場のビジネス部門からの要望は17.7%にとどまる。
BI・DWHの検討は、現場の業務効率化(部分最適)以上に、経営陣の号令や情シスの基盤刷新といった「全社視点(全体最適)」からスタートする割合が圧倒的である。このことから、現場向けの使いやすさ訴求だけで案件を進めると、検討が進むにつれて情シスの管理要件や経営層の投資視点と乖離し、選定プロセスで衝突が起きやすい構造があることが窺える。

情報収集チャネルは「セミナー・ウェビナー(41.6%)」がトップ、「営業担当者への相談(39.8%)」、「展示会・イベント(35.9%)」が続く。メーカーから得られる一次情報が重宝されている。
また、生成AIの活用経験者の約8割が「専門用語の解説(80.8%)」や「自社課題に最適な商材探索(77.8%)」、「候補製品の強み・弱みの比較表化(75.8%)」にAIを利用している。
顧客はベンダーの営業担当者に相談する前段階で、各種Webメディアや生成AIを活用して「自走型」の製品比較・検証を済ませている。
顧客の脳内では営業接触前に客観的な比較イメージが形成されているため、Web上での正確な情報発信や、AIの出力結果に自社の強みが反映される情報構造化の重要性が浮き彫りとなっている。

導入決定に至るまでに詳細に比較検討した製品数は、「2社(32.5%)」と「3社(25.7%)」を合わせて約6割(58.2%)を占める。
候補に選んだ理由としては「専門メディアの記事や比較サイトでの評価の高さ(50.2%)」が半数でトップとなり、「既存取引先からの提案(39.2%)」や「検索上位・Web広告(39.2%)」が続いた。
顧客は膨大な数の製品を横並びで比較するのではなく、検討初期の段階で信頼できる情報源(専門メディアや検索)を元に、候補を即座に「最大3社」のショートリストへ絞り込んでいる。
この初期スクリーニングを突破できなければ、どれほど優れた機能を持つツールであってもコンペの土俵にすら上がれない実態が示されている。

要件定義やPoC(技術検証)の段階で最も苦労した点は、「経営層が求める高度な分析(AI予測等)と自社データ基盤の実力のギャップ(21.3%)」が最多。次いで「社内データの散在・品質の低さ(クレンジング負荷:18.1%)」が挙がった。
導入プロジェクトの多くは、ツールの操作性や機能スペックではなく、「自社データの汚さ・サイロ化」や「経営陣が描く夢(理想)と現場のインフラ(現実)の解離」によって足止めされている。顧客は可視化以前の「データ準備の泥臭さ」で挫折しており、この壁をどう乗り越えるかが案件継続の大きな焦点となる。

最終候補に残りながら不採用(現状維持・見送り)となった最大の理由は、「自社の複雑なデータ基盤構築(DWH)やデータ整理に対する具体的提案・支援ロードマップの不足(20.3%)」であった。次いで「セキュリティ・ガバナンス要件未達(14.9%)」、「ROIの定量説明不足(13.9%)」が続く。
競合他社との機能比較に敗れるケース以上に、顧客自身の「データ整理の手順が見えない」「社内稟議でROIが証明できない」といった要因で、検討自体が凍結(現状維持)してしまう自滅パターンが多発している。商談後半で顧客の社内ハードルを解消する手立てがあるかどうかが、不採用を回避する境目となっている。

社内承認で最も壁になったのは「ROIの定量的な証明困難(17.7%)」と「データ整備・DWH構築の追加費用・工数(17.1%)」であった。これを乗り越えるために有効だった材料としては、「全社統合までの現実的な段階的ロードマップ(23.9%)」と「自社データ基盤のアセスメント結果(21.2%)」、「スモールスタートでの初期費用抑制(16.0%)」が上位を占めた。
決済層を説得するにあたり、担当者が最も苦しむのは「ROIの数値化」と「見落としがちな前処理・データ整備コストの説明」となるため、ベンダー側からROI試算ロジックや追加工数を抑える提案を提供することが、稟議通過の鍵となる。
現場の使いやすさを強みとした「部分最適」に主眼を置いたプロジェクトは、検討後半に情報システム部門からガバナンスやセキュリティの懸念を突かれ、「全体最適」の視点から稟議が通らないことがあります。
機能面の訴求だけでなく、データガバナンス構築ガイドなどを作成し発信することで、稟議のキーパーソンとなる情報システム部門を味方につける戦略が有効です。
トップダウン案件が失注・延期する最大の理由は、理想と現実の大きなギャップによる「方針転換」です。
経営層の「BI・DWH活用によるデータドリブン経営」という理想に対し、「データ基盤構築を整えるために数千万円と数年かかる」という現実を知り、ROIが合わないと判断します。
ベンダーは綺麗なダッシュボードのデモよりも、「データの健康診断」などで現実を伝えた上で、完成図と段階的なロードマップを提示することが受注への着実な一歩です。
BI・DWH市場の製品機能はコモディティ化が進んでおり、機能面での差別化が難しくなっています。
「ツール機能の訴求」に加え、「データ連携・クレンジングの実務ステップ」「現場へのKPI定着化教育プログラム」といった、理想を現実にする伴走力を訴求するコンテンツを展開していくことが有効です。
調査レポートには、本ページでご紹介した内容のほか、回答者の具体的な属性や、チャネル別の詳細データ、検討起点別・商材別のクロス集計、ベンダーへの期待事項、考察の詳細などを多数掲載しています。
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